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likeness,index,symbolはそれぞれicon,index,symbolと同じです.のちにiconと呼ばれるようになるものが,「新しいカテゴリー表」ではlikenessと呼ばれているだけです. 「共通性」は「共有」と訳した方が良かったかもしれません.つまりlikeness (icon)は,対象と何らかの質を共有しているがゆえにその対象を指示するような記号だということです.例えば肖像画は,題材になっている人物と顔の造形を共有しているからこそ,その人物を指示します. 次にindexは,その対象との関係が何らかの事実的な対応(correspondence in fact)に存するような記号だと言われます.風見鶏を考えると分かりやすいと思います.風見鶏は風の向きを指示しますが,それは風見鶏が,風と物理的に相互作用しているからです.このような現実世界における何らかの繋がりのことを,Peirceは「事実的な対応」と呼んでいます. 最後にsymbolは,何らかの「帰属された性質」のお陰で対象を指示するような記号だと言われます.言葉(書かれたものであれ発話されたものであれ)がsymbolの好例です.例えばある単語が喚起するイメージは,その単語に意味を付与する言語的慣習(これが解釈項に相当します)なしには想定できません.つまり単語の喚起する質は,言語的慣習によって「帰属」されるものです.このようにして帰属された質のお陰で,対象を指示するような記号がsymbolだということです.
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