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将来、心理学の研究において、統計部分は統計家(in-lab/第三者機関かどうかは問わない)がやる、といった分業制になることはあると思いますか?また、それは望ましいことだと思いますか?

興味深いご質問、ありがとうございます。ご指摘のお話については、特に研究者間で合意があるわけではないと思いますので、今後実際に、分業制が成立するかどうかについては、現段階では正直分からないのではないかと思います。以下では、分業にするべきかどうかについて、私たちの意見を述べさせていただきたいと思います。 結論から言いますと、統計部分を分業制にするのは、基本的にはおすすめできないと思っています。適切な統計モデルを設定するためには、当該研究を、理論的にかなり詳しく把握している必要があると思います。ですので、そうした把握と、統計モデリングの知識の双方を兼ね備えた人が、研究をデザインする必要があると思います。統計モデリングの部分だけを外注してしまうと、それが適切なモデルになっているのかを確認することができず、研究の妥当性が根本的に失われてしまうのではないかと思います。 しかし分業が可能な場合もあると思います。例えば、統計モデリング自体は当該研究をリードする研究者がデザインするものの、それを実装する段階で、プログラミングのテクニカルな部分を、誰かに依頼する、というケースは十分考えられると思います。しかしその場合も、結果として提案されたプログラムを読み、想定していた統計モデルと合致しているかを、研究者側がチェックする必要があると思います。ですので、プログラムを読めるだけの能力は、研究者側に要求されると思われます。 以上のように考えますと、今後も引き続き、心理学者が統計モデリングの知識を適切に、効果的に学んでいける機会を増やしていくことも、非常に重要だろうと思います。 ご参考になれば幸いです。

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