
たとえば私が「漫画についてなんでも知っている」と言い出したら、どう思いますか? 凄くバカっぽい発言というか、無知蒙昧の極み、ぼんくら決定ですよね。だって、なんでも知るなんて出来るわけないじゃないですか。「お前ごときが全てを知り尽くせると思うだなんて、漫画の深み舐めてんのか!」って感じで、漫画に対して無礼千万な発言です。 知識というのは、得るほどに自分の知らないことが無限にあると思い知ることでもあります。 歴史の授業とかで、天動説と地動説の話を習ったと思うのですが、あれがなぜ教科書に載っているのかというと「今教えられていることだって、間違っている可能性がある」ということを子供たちに教えるためですよね。 知識を詰め込めば頭が良くなるという考え方自体が、正直、凄くバカっぽいです。 全てを知ることが出来ると思うこと自体、非常にバカバカしい考え方です。 読者さんから「この事柄について勉強不足だ何も知らない」と書かれたとのこと。 おそらくですが、読者に対して上から目線で「これ知らなかったでしょ!どや!!」という風に書いてしまったんじゃないですかね?? 知識をひけらかす作りになっているというか…。 そもそもなんですけど、たとえば「釣り」を題材に漫画を描いたとするじゃないですか。 そうすると、最初に興味を持って来てくれる読者って「釣り好き」に決まってるんですよ。 釣り関連なら何でも見に来てくれる猛者が集まってくるわけです。 でもなんとなくなんですけど、あなたは漫画を描く時に「釣りを一切知らない人」にしか読まれない想定で描いてしまった気がします。 無知な人ばかり集めた公演会で、どや顔で知識を披露していたら、その会場にプロがいて、赤っ恥をかいた状況と同じというか。。 それでたぶん、めちゃくちゃ詳しくならないと釣り漫画描いちゃいけないんだと思って、どこまで詳しくなればいいのか??という疑問にぶつかったんだと思うんですが、そもそもの問いが違うんです。 釣りマニアが怒ったのは、あなたの傲慢さです。 最初に書きました。 ”「お前ごときが全てを知り尽くせると思うだなんて、漫画の深み舐めてんのか!」って感じで、漫画に対して無礼千万な発言です。” あなたが扱った題材が釣りにしろ、キャンプにしろ、音楽にしろ、知識がある人間だと見せたい欲そのものが非常に傲慢で、その題材を愛している人ほど、イラっとしてしまう。 じゃあどうすれば、その題材を描けるのか。 それは、愛です。 あなたも頭の良さの一つとして挙げながら、あまり掘り下げなかった『興味』です。 知識が浅くてもいいんです。 愛さえあれば。 「ここが好きだ。これが面白い。」 愛に加えて、興味があるともっといい。 「これはなぜこうなってるんだろう??ああ、凄いな。」 そんな風に興味を持っていくと、おのずと知識も深まっていく。 まずは自分が好きだと感じる気持ちや楽しさを友達に紹介するように漫画を描いてみてください。 そうすればきっと、マニアは暖かく見守ってくれるし、その題材を全然知らない人も興味を持って読んでくれる作品になると思いますよ。 まずは、読者と知識勝負を挑もうなんてしないでください。 そんなことしようとするから、浅はかだと言われちゃうんですよ。 読者と勝負するんじゃなくて、頭のいい読者たちを、あなたの心強い仲間や師匠、ファンにする方法を考えてください。 それこそが漫画家としての頭の良さだと思います。
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