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こんにちは。都内で作家活動をしています。作家は展示の際在廊すべきだと思いますか?一般的な見解と飯島さんの個人的な見解を伺いしたいです。

私自身在廊は非常に苦手です。理由は作品鑑賞のノイズになりますし、展示空間のどこにも自分の居場所はないように感じるからです。自分が鑑賞する側でも、作品を見ているはずが見られているようで嫌です。

しかし、作品が売れるなら、ギャラリストが来て次の展示に繋がるなら在廊した方がいいのかと考え、葛藤しながらも在廊することが多いです。周りの作家はそういう感覚を持たないのか積極的にお客様に話しかけ、売約し、次の展示に繋げているのを見ると羨ましく思ってしまいます。

こんにちは~。 まず在廊に関して一般的な見解と私の個人的な好悪は大きく異なります。 一般的には在廊していた方がいいでしょうね。 鑑賞者になんだかわからない作品だと思われても隣にいれば解説ができますし、高価な作品の購入を考えている人には作家自身の哲学や姿勢を見せることで最後の一押しになることもあります。作品だけで完結しない部分を作家が在廊することで補うことができる。 美術の本義からは離れますが、作家と知り合いたいミーハー気質の人や、作品をきっかけに作家の「人間」の部分を見たがる人にも対応できるでしょう。 ですが、私は作家が在廊しているのはイヤなタイプです。そもそも人間が嫌いなのでぶよぶよした肉饅頭が同じ部屋にいるだけでゾッとする。私は作品を見にきているのであって人間を見に来たわけではないのだから。醜い毛無し猿がこちらを認識して顔に開いた穴から空気を振動させて近寄ってくるなんて。ああ、恐ろしい!作品に関して疑問点があればテキストを読み込むし、なければ「ないんだ」で終わらせます。 ただ、私のようなのは少数派です。 vs 飯島シフトを鑑賞者全員に敷くのは危険です。 「そういう人もいる」ぐらいに考えておいてください。 周りの作家も在廊するしないはそれなりに葛藤してると思いますよ。でも、作品が売れる喜びが義務感に勝っているとか、売れないことの恐怖に比べればマシだと思っているのか、鑑賞者の視点を手に入れて作品に反映させたいのか、まぁ他人はそんなに単純じゃないですよ。 あなたは在廊の必要性は認めているものの乗り気ではないのがよくわかります。 世の中の悩みの大半は「やりたくないけど、やらなきゃいけない」ことで構成されていますからね。 でもこの悩みは工夫次第で軽減もできますよ。「販売」と「次の展示機会」を得るための在廊なら自分からコレクターやギャラリストに来てくれるよう伝えて在廊日を調整すればいいのですし、来場者一人一人の適切な距離感を読み取りそれぞれに適したトークデッキを投入していくゲームだと思ってもいいかもしれません。 仕事って義務感だけだとつまんないんですけど、やるしかないなら楽しんだ方がいいじゃないですか。いつか在廊しなくてもよくなるのが目標かもしれませんが、そのためにできることは一つじゃないですよ。一にも二にも作品の質を向上させるのが第一かと思いますが、でも他にできることも工夫していきましょう!

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