7/2

「着床の窓について」以前他の方への回答に、ホルモン補充周期より自然周期の方が、着床の窓が開いている時間が長いといった趣旨の話をしていましたが、これはどういうことでしょうか。

ホルモン補充周期では、着床の窓のずれが約4割にあるという報告がありますが、自然周期では2割程度と言われています。この理由として、自然周期では窓の中心のずれが少ないことに加えて、窓の幅が広いからと考えられます。通常受精卵は受精後5日目から6日目に胚盤胞に到達するので、窓には1日程度の余裕があると考えられます。 ではどうしてホルモン補充周期では、窓が狭くなったりずれたりするのかという理由ですが、一つは卵巣から出るホルモンはエストロゲンとプロゲステロンだけではないこと。アクチビンやインヒビン、フォリスタチンなどさまざまなホルモンが、直接的でないにしても間接的に絶妙に作用し合って内膜を作っている可能性があります。ところがホルモン補充では2種類のホルモンだけで補おうとすので、自然周期とは内膜の質に違いが出てくる可能性があるのです。二つ目は、ホルモン補充周期ではホルモン量が投与開始から一定していること。自然では、E2もP4もなだらかに上昇します。三つ目は人によってホルモン剤の吸収に違いがあること。薬の種類によっても、ホルモン値に違いが出てきます。自然周期では体の中からホルモンを発生するため、吸収の違いのような個人差が出にくいと考えられます。 このようにホルモン補充では自然にはかなわない部分が多くあるのですが、それでも多くの人はホルモン補充でも、自然周期でも、D-5でもD-6でも、当院のデータ的には同じくらい着床します。 一部の人に、窓が狭かったり、大きくずれていたりすることがあるということです。そしてホルモン補充のほうが、そういったことが顕著に起きやすいということです。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク