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東大卒JTCの者です。中高大と、確実に慶応生より勉強してきた自信はありますが、慶応生が外資で働きイキリ倒してるのを見ると、何のために勉強したのか、虚しくなってきます。自分はどんなに対策しても面接が極端に苦手で、その分大学でも勉強したのですが、それでもJTCの内定しかもらえませんでした。勉強量と年収が結びつかないことを考えると、これまでの人生、無駄だったなと寂しくなります。よりよい生活が手に入ると思って勉強しすぎたのは間違いで、そこそこ勉強ができれば十分だったなと反省しています。これからの人生、どうすればいいか、どう考えればいいか、アドバイスいただけませんか。どんな試験も間違いなく突破できる自信はありますが、面接だけが特に苦手でうまく口がどうしても回らない性格で、年収もあげようにも上がりません。なお、日常の業務は問題なく意思疎通できますが、面接だけがとにかく苦手なのです、、。長い文章で申し訳ないのですが、中田さんの忌憚ないご意見を伺えないでしょうか。

「試験勉強だけしていたら東大経由でJTCにしか行けませんでした」というのは順当of順当な結果であり、世界が正しく回っている証左でさえあります。もうお気づきのようではありますが、人生の目標が仮に「外資でイキり倒したい」「年収を上げたい」だったのだとしたらその対策が「勉強する」だったのは単純に間違いでした。 試験勉強なら間違いなく突破できるとのことですが、しかしご自分の人生を試験に見立ててそれに対する正しい答えを出すことはできていない、あるいはその勇気を持てていないようにお見受けします。 問:外資でイキリ倒すために必要な対策を述べよ 問:年収を上げるために必要な対策を述べよ これらの答えは決して「試験勉強をすること」ではなく、まして「面接で口が回るようにすること」でさえもありません。まずは勇気を振り絞って、自分はこの問いから逃げてきたのだと自覚し、この"人生の試験問題"に解答することが必要になります。逃げることは悪いことではありませんが、自分が逃げている自覚さえないのであれば次にまた戦うことさえできません。正しく逃げましょう。 もう少し具体的にヒントを出すなら、外資でイキリ倒すためにも年収を上げるためにも必ずしも口が回る必要はありません。それはちゃんと調べたら(換言すれば「目標に沿った勉強をしたら」)すぐに実例はいくつも出てきます。 私が好きなエピソードが2つあります。 一つはJPモルガンで大儲けした藤巻健史さん。彼は自身も認める口下手で、営業トークなど全くの不得手でした。そこで若かりし頃の彼は考えたのです。「口下手だからできる営業は何か」と。彼の"解"は、新聞のお悔やみ欄を見て毎日のように葬儀に出向き、遺族に「遺産運用」の案内をして回るという方法でした。家族が亡くなったというのにペラペラと営業トークを聞きたい人なんていません。ですから彼は「この度は・・・」とだけ言って口をつぐみ、ただパンフレットを置いてくるだけの営業を続けたのです。喋るのが大好きな営業マンはこれができません。喋れないということも一つの才能だとみなして、彼は喋らない営業を続けた結果、大きな営業成績を収めたのです。「おかげで私は死神と呼ばれるようになった」というのは彼の持ちネタの一つです。 もう一つは、事務大手のキンコーズの創業者であるポール・オファラの話です。彼は勉強ができないどころか文字さえ十分に読めませんでした。おまけにADHDだったので周囲の人々とのコミュニケーションさえ満足に取れません。しかし彼は「コピーサービスは事業になる」というアイディアだけはありました。そこで彼はどうしたか?徹底的に周りの人に任せたのです。部下に対してマイクロマネジメントをするには高い言語能力が必要ですが(大抵の人が失敗しますが)アイディアだけ伝えて部下に完全に任せてしまうのであればADHDでも可能です。そして文字が読めなくても可能です。彼は「アイディアを出し、社員の働く環境を整えることだけに専念する」CEOというスタイルを取って大成功したのです。彼は「従業員としてはやっていけないが、逆にCEOとしてなら成功する」というところに人生の解を見出したと言えるでしょう。 調べれば調べるほど、こういう「地味な成功者」の例はいくらでも出てきます。イキリ倒している人の方が目立ちやすいから素人目にはそちらの方が王道だと思ってしまうだけで、地味に稼いでいる人はこの世に多く存在するのです。しかし少なくとも彼らは勉強に逃げたりはせず、「自分に合った稼ぎ方は何なのか」という問いに真摯に向き合った点では共通しているでしょう。 もう一歩踏み込むのであれば、私は質問者さんの人生の欲求が本当に「イキリ倒したい」「年収を上げたい」なのかさえ若干の疑問を持っています。イキリ倒して、あるいは年収を上げて何がしたいのでしょうか?それ自体が本当に最終目的でしょうか?その先に「親を見返したい」とか「女の子にもてたい」とか、もっと別の欲求が潜んでいたりしませんか?もしそうであるならば、自分に対する問い自体を変えねばなりません。別にイキリ倒さずとも、あるいは年収を上げずとも満足な人生を送ることは可能という結論になるからです。ですから、本当は質問者さんに必要な"最初の試験問題"はこれだと思っています。   問:自分が本当に欲しいものを述べよ   是非ここから解いてみてください。

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