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亜硫酸水素ナトリウムに希硫酸を加えて、二酸化硫黄を発生させる化学反応式の作り方を教えてください!弱酸遊離反応なのはわかります!

とても良い質問です。 (結論) 大学入試においてこの反応式が問題として問われる可能性は低いです。 気体発生の手法を問われる問題として、弱酸遊離反応により二酸化硫黄が生成される事実を知っておくことが重要です。 (解説) 今回の条件において一般には1⃣を答えとしますが、2⃣の反応とも考えられます。 1⃣:2NaHSO₃ + H₂SO₄ → 2H₂O + 2SO₂ + Na₂SO₄ 2⃣:NaHSO₃ + H₂SO₄ → H₂O + SO₂ + NaHSO₄ ①亜硫酸水素ナトリウムの電離(イオン結合)  NaHSO₃ → Na⁺ + HSO₃⁻ ➁希硫酸の電離(SA):1段階目  H₂SO₄ → H⁺ + HSO₄⁻ ➂希硫酸の電離(SA):2段階目  HSO₄⁻ ⇄ H⁺ + SO₄²⁻ ④「➁or➂のH⁺」と「①のHSO₃⁻」がWAの組み合わせ、くっつく(弱酸遊離反応)  H⁺ + HSO₃⁻ ⇄ H₂SO₃ ⑤亜硫酸は常温で熱分解  H₂SO₃ ⇄ H₂O + SO₂ 反応した部分だけをイオン反応式で取り出すと④+⑤で  H⁺ + HSO₃⁻ ⇄ H₂O + SO₂ となります。 これらを化学反応式とするために対イオンを加えると1⃣になるということです。 通常は②③を分けることはなく、まとめて H₂SO₄ → 2H⁺ + SO₄²⁻ と電離させるのですが、今回の反応は厳密にみると②と③分ける必要がありそう。 それは、➂④の電離定数が近い(HSO₄⁻ と H₂SO₃ のH⁺の出しやすさが同じくらい、何なら H₂SO₃ の方が少し強い)ことにより、➂によって出来たH⁺を④が受け取れない現象が起こるためです。 そのため②(硫酸から1つだけH⁺が電離)で止まり③は起こらず、反応式は2⃣と考えられます。 ただし、高校化学の通例として希硫酸は2価の強酸として完全電離(②③は分けない)とします。反応物と生成物の係数比から量的関係を考えるのは主に中和反応ですが、その時には強酸だろうと弱酸だろうと塩基によりどうせ電離するので、電離定数まで考える必要がありません。亜硫酸と硫酸の第二電離の電離定数でも与えられていなければ、1⃣としておくということです。 2013年度センターにも出題されているテーマです。 また、希硫酸でなく希塩酸であれば反応式の出題例もあります。 NaHSO₃ + HCl → H₂O + SO₂ + NaCl 改めて、結論で述べた内容を押さえてほしいと思います。

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