MPLC(中圧クロマトグラフィー)は精製用途、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)は分析用途、が主です。決定的な違いは耐圧と、接液部の材質など。 HPLCの勃興は微粒子充填剤の開発が契機でした。(Kirkland,1969)装置は、カラム側の要請に応える形で発達していった側面があります。 クロマトグラフィー理論上は、粒子径が小さくなるほど分離能が向上します。例えば粒子径が10μmから5μmになれば理論段数は2倍(分離度は1.4倍)。一方、かかる圧力は4倍です。よって分析の高効率化にあたっては「耐圧」が文字通り律速になります。 高流量の送液と、主要配管にステンレス等の部材を用いる高圧化がHPLCの発展を後押ししました。HPLCはHiph Performance Liquid Chromatographyの略ですが、当初は"High Pressure"だったり"High Speed(HSLC)"だったりと色々言われて、やがていまの名称に固まってます。(日本語訳は、その名残りで"高速"のままです。語感が良いから…?) MPLCは"Medium "との語から分かる通り、HPLCの勃興の後に(調べた限り、1979年頃から?)現れた呼称で、HPLCほどの圧力を必要とせず、低コスト。一方でカラムクロマト・フラッシュクロマトよりも高効率、という点がポイントでした。今日のHPLCは(特殊な検出器を付けない限りは…)比較的安価で当時よりはるかに高性能になってますが、MPLCにも明確な優位性があります。高圧化にあたって「ステンレス配管」等を用いなければならないHPLCは、例えばタンパク質の精製において非特異吸着をもたらすおそれがあります。よって耐圧の低いMPLCにてガラスカラムや樹脂部品を用いることの利点が、高活性な分子を扱う場面で効いてくることがあると思います。用途によりけり。 尚、わたし自身はHPLCが専門で、MPLCの特徴理解が不十分な面も大きいのでご了承を。わたしの想像するMPLCは、ファルマシアのFPLC(現在のCytiva社Akta)のようなタンパク質精製用の機器が念頭でした。MPLCもその耐圧(5MPa未満?)の満たす範囲で分析に用いることは出来ますし、逆にHPLCでもフラコレつければ大量分取する事も出来ます。なので、両者の境目は実はとても薄いのかもしれません。ご参考にね。
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