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実はマルクス主義というのは、スターリニズムの一元的支配が確立するまでは、実に多様な幅を持った思想的・実践的運動だった。その中には、マルクスからさんざんこき下ろされたラサールもしっかりと位置付けられていたし、ボリシェヴィキを猛烈に攻撃したカウツキーやプレハーノフも、メンシェヴィキの理論家も内包された存在だったのだ。レーニンも最後までプレハーノフやカウツキーを高く評価していた。
ところが、スターリニズムの一元的支配が確立されると、そのような多様性や幅は徹底的にそぎ落とされ、マルクス→エンゲルス→レーニン→スターリンというたった一本の線だけが正統であって、それ以外のいっさいは学ぶ必要のないもの、それどころか排除されるべきものとして総括されるようになった。
このような歴史観ないしマルクス主義認識は、実は、スターリニズムが批判された後も確固として生き残りつづけた。「反帝・反スタ」の中核派も例外ではない。中核派においては最後のスターリンが排除され、マルクス→エンゲルス→レーニンという系譜になったのである。
マルクス主義とは、本来はもっと多様性と幅のあるものであって、そのような多様性の全体としてそれは真に生き生きとした存在になる。マルクス主義は本来、そのような思想だったのである。
ところが、中核派などは「マルクス→エンゲルス→レーニン」の一本線のみが唯一正統であるとしている。ここにカウツキーやプレハーノフ、ラッサールが加えられた時、本当の意味でスターリニズムが克服されたといえよう。中核派が今なお「マルクス→エンゲルス→レーニン」の系統を唯一無二としているということは、すなわち「反スタ」を掲げる今なおスターリニズムを克服できていない証拠と言える。

労働者階級自己解放でお願いします。 (髙田)

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