
はじめましてー。 拙著『名も無き世界のエンドロール』も読んでいただいたとのことで、 誠にありがとうございます! さて、受賞してから皆さんの目に触れるまでにどれくらい原稿に手が入るのか、ということですが、これはもう千差万別です。応募原稿のクオリティ次第。応募時点で読み物としてのクオリティが高いに越したことはありませんが、何か一つ大きく光るものがあれば賞を受賞できるのが新人賞であったりするので、応募時点ではクオリティはそこそこという作品も多々あると思います。 基本的に、受賞後の修正に関しては、担当編集と、編集部の判断が入りますので、ここは直したほうがいいですよ、こういう場面加筆できませんか?みたいな指摘を受けます。ただ、ある程度の線引きみたいなのは(おそらく)あって、改稿の結果、受賞作とは別物になってしまわない程度には留めると思います。担当編集が本気でダメ出しをしてくるのは二作目になるので、それも、二作目の壁が乗り越えられずに挫折していく人が多い理由の一つではなかろうかと思いますね。 なので、発表時は応募原稿からクオリティアップはもちろんしているものの、元の作品から大きく改変はされていない程度、という感じだと思います。 僕の場合も、刊行する前に小すばで冒頭部分が掲載されたり、もろもろいろいろありますので(賞の選考にかかる部分は詳細を話せないのですみません、、、)、原稿の直しはもちろん入っています。受賞してから刊行するまでにまるまる一章加筆しておりますが、これは「もうちょっとこのキャラの出番増やしましょう」という指摘に対して、じゃあまるまる一章追加しちゃっていいですか?みたいなやりとりがあってそうなったものですね。編集部としてはそこまで追加させるつもりはなかったと思いますので、これは僕が言い出した改稿になります。なので、質問者さんの原稿がもし通ったとしたら、実は応募前にこうしたかったけどできなかったんですよ、みたいな希望は取り込むことが許されるかもしれないですね。 僕の受賞作は、タイトルも応募時から変わったので、変更したタイトルと沿うように加筆修正もしていたりします。 単行本から文庫になるときも直しを入れていますので、応募原稿と、文庫で読んでいただいたものだと、結構クオリティアップはしてるんじゃないかと思います。話の根幹のストーリーとか、物語の基本構造みたいな部分は変わっていませんが、後年、いろいろみなさまからの感想など頂いたときに、加筆修正した部分を、よかった、とか、印象的だった、と言われることもあるので、クオリティとしてはかなりよくなったものを読者の皆さんにお届けしているということですね。 誤字脱字、誤用などの文章の間違いについては、よほど甚だしいもんでなければ、あまり選考には影響しません(たぶん)。自分で推敲してできるかぎり潰す、というメンタリティは大事ですが、仮に誤字脱字がちょこちょこ残っていたとしても、それが原因で落とされるということはないと思います。プロの原稿でも初稿なんてそんなもんで、校閲かけるとわさわさ間違い出てきますので。もちろん、それでもきちんと推敲には時間をかけましょう。推敲にパワーかけた原稿とかけてない原稿だと、読んでいて結構違いがわかるものです。 ただ、今、年齢が僕の一つ上ということで、これから60代に入るまでに作家デビューしよう、ということなので、おそらく、新人賞ではそれなりのクオリティが求められると思うのですね。僕は受賞が32歳の年だったので、ある程度ポテンシャル採用的に賞を頂いている部分もありますので、今の年齢で同じ原稿を出していたら通ってないんじゃないかと思います。なので、完璧は求められることはないですが、完成度が高いことに越したことはない、という感じじゃないかなと思います。
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