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マーケティングをしたほうが良いものと、逆にマーケティングをしないほうが良いものはありますか?
あるカフェの店主は一切、店の宣伝をしないにも関わらず繁盛し続けています。人づてに店のことが伝わるようにし、縁のある人だけが店に来るようです。
そうした事例はマーケティングにおいてありますでしょうか?

ご質問いただきありがとうございます。 マーケティングが必要かどうかを掘り下げる前に、前提となる考え方から共有させてください。 マーケティングは万能ではなく、魔法の杖でもありません。マーケティングとはあくまで手段で、必要かどうかは上位にある目的によります。お金や人というリソースを投入しマーケティングをしなくても目的が達成できれば、マーケティングは不要なんです。 ではマーケティングが不要な時はどんな場合かを掘り下げてみますね。マーケティングを要素分解をして解像度を高めてから、何がどういう状況で不要になるかを見ていきます。 マーケティングを分解すると、 顧客設定 ・ターゲット顧客の設定 (自分たちの顧客は誰か) ・顧客理解 集客 ・新規顧客の獲得 ・既存顧客の維持とロイヤルティ向上 (より愛着を持ってもらう) 施策 ・施策の予算確保 ・コンセプト立案とメッセージ作成 ・パッケージ開発 広告と販促活動 ・価格設定 ・新規販売チャネルの開拓と既存チャネルの関係強化 では分解した中から、マーケティングが不要なケースを考えてみます。具体的には次の4つです。 ・新規顧客の獲得 ・広告と販促活動 ・過度な安売り ・新規販売チャネルの開拓 [不要 1] 新規顧客の獲得 1つ目に不要になることは新規顧客の獲得です。 どういう状況で不要かと言えば、もし既存顧客のリピート購入だけでビジネスが成立するのであれば、新しい顧客を増やすマーケティングは不要です。というのも、お客さんを広げ増やしすぎることによってキャパオーバーになってしまうと、既存客への対応がおろそかになり不満につながるからです。 新規顧客を獲得するマーケティングが不要な具体例は、一見さんお断りのお店です。馴染みのあるリピート顧客と既存客からの紹介だけで商売が成り立っていれば、自らでの新規顧客の開拓は不要です。 [不要 2] 広告と販促活動 2つ目は広告と販促です。広告宣伝や販売促進にお金を使わなくても口コミで自然と広まっていけば、広告と販促は不要です。良い商品やサービスで売れていくのであれば、わざわざ広告販促にお金をかけなくてもいいわけです。 有名なところでの例はスターバックスです。スタバのテレビ CM を見たことがないように、スタバは広告活動はしていません。 [不要 3] 過度な安売り 過剰な安売りをしてしまうと利益を削ってしまいます。 適正価格で、もっと言えば同業他社よりも値段は高くてもファンがいて買ってもらえるのであれば過度の安売りは不要です。利益を確保し得られた利益はビジネスで投資し、めぐりめぐって顧客にも還元されます。 過度な安売りをしなくてもビジネスが成立している例は Apple です。Apple 製品が安売りされることはありませんが、世界中で iPhone や Mac は売れています。 [不要 4] 新規販売チャネルの開拓 4つ目は販売チャネルです。見込み客とのコミュニケーション接点と販売チャネルをこれ以上増やさなくても、ビジネスが成立するのであれば新規チャネルの開拓は不要です。 商圏エリアを拡大せず、ルートもネットのみの扱いで問題なければ、新しい販売チャネルを見つけなくてもいいです。例えば大手 EC サイトは出店せずにダイレクト販売のみとするビジネスです。これができるのは自分たちで顧客リストがあるからです。質が良く一定のファンがいて人数規模も自分たちには必要十分であれば、新規チャネルの開拓は不要です。 * * * 回答は以上です。質問いただきありがとうございました。またよければ質問をいただければうれしいです。

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