先程お答えした、別の方からの質問と被るところもありますが…。 この仕事のやりがいは、概ね「自己満足」だと考えます。他の仕事も、そうなのかもしれませんが。 綺麗な降下ができた、着陸がキマッた、燃料をこれだけセーブできた、他のクルーと協力してこういう状況を乗り切った…。 2つとして同じ状況の下でのフライトがない中で、様々な課題に対処していきます。 基本的に、後で自分で心の中で「やったぜ」とニヤニヤすることがメインになります。 お客様から声をかけていただいたり、手紙を頂いたりすることは、あまりありません。 本当に正直なところをいうと、私の中では「社会への貢献」より「その日のフライトで上手くいったこと」の方が100倍ウェイトが大きいです。 周りにも、そのような職人的な人は多いかと思います。 職人的な、技術やノウハウによる、安全が「前提」の世界ですから、そうなるのも仕方ないかもしれません。 機械の能力は日々進歩しており、ある領域では人間の能力を優に超えています。 全てにおいて人間を超える機械のパイロットの出現、もしくは全自動の飛行機の出現は、思ったより早く来るのではないかと睨んでいます。 しかし、そんな中でも、この仕事がある限り、自己満足のやりがいは見つけられると思います。 「その日」が来るまでは。 例えば、あまり想像がつかないかもしれませんが、オートパイロットと一口に言っても、様々な性質を持ったモードがあります。 それぞれ特性があり、メリットデメリットがあり、また「このモードの時にこのような操作をすると危険」といったものもそれぞれあります。 それらのロジックを把握し、気象状況や路線特性、客室やATCの状況に合わせてマネジメントしていくことは、純粋に面白い。 しかし、この面白さは、FMSが無かったり、今ほど発達していなかった昔には無かった。 何が言いたいかというと、「この世界は奥が深く、私達がコックピットに乗っている限り、面白さ、やりがいは見つけ出すことができるだろう」ということです。 「その日」が来るのが先か私や君の引退が先かは全くわかりませんが、少なくとも私は、飛行機に乗り続けます。
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