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よくおすすめしているのはダニエルキイス『アルジャーノンに花束を』ですが、これはあまりに有名なため割愛いたします。 まだ質問箱で紹介していない好きな小説に梨木香歩『家守奇譚』がありますので、それのあらすじを説明させてください。 物語は主人公が学生時代の友人の実家に住み始めるところから始まります。友人はボートを漕いでいる最中に行方不明になっており、実家が空き家となっていたからです。 時代としては100年ほど前とだけ説明されており、明治時代であると予想されます。 家に住んでいると、河童や鬼など空想上だと思われていた生き物がやってきたり、動物や植物と意思の疎通が図れる不思議な出来事が起こり始めます。 いわゆる怪奇小説と異なるところは、それらの現象を主人公や物語世界が当たり前のこととして受け止めているところです。誠実に対峙し、あくまで静かに物語が進んでいきます。 生物、植物、水、空気、時間。 あらゆるものが自然体で存在するにも関わらず、物語は確実に進んでいきます。 文体が美しく、静謐で、それでいてストーリーは常に面白い。 そうして迎えるクライマックスは人間の強さと優しさを感じられます。 友人はなぜ行方不明になったのか。 不思議な生活の行き着く先を、ぜひご自身で読んで見届けてほしいです。 (ちなみにですが、質問の「内藤さん」とは僕のことです。最近フォローしていただいた方は知らないと思うので一応お伝えしておきます)
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