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今治造船は今まで他造船所を傘下に入れることで規模を拡大してきましたが幸陽船渠だけ他とは違い、自社工場としましたよね?グループ化、子会社化するのと自社に吸収するのとではどう違うのですか?

ご質問ありがとうございます。 なぜ幸陽船渠のみ広島工場と自社工場化したのかというご質問ですが、私個人の考えとしては、①「今治造船はこれまで以上に大型船の建造を重視する」という企業方針を外に発信するため、②大型船建造の為に支配力を増強しておきたい、の2つがあったと思います。 1つ目に関してですが、幸陽船渠を自社工場化した2014年はコンテナ船やLNG船の建造など大型船の建造に力を入れていた時期であり、受注の面でもその昨年度に14,000TEUコンテナ船や178,000級LNG船など日本初となる船型がありました。 グループ傘下で建造させていると言うよりも、あえて自社工場で建造していると言う方が、企業の力の入れ方が高いことは間違いないと思います。 と同時に、企業外に今治は大型船をこれからも建造していくと言う発信にもなります。 2つ目についてですが、「大型コンテナ船の建造において今造グループの協力関係を一層強固にし、資本金も300億円に増資、柔軟な設備投資も可能にしました。」(2014年社長共同記者発表の概要)や、「グループ内の統合によって経営資源の集約と組織及び業務の運営効率化を図り、経営基盤の安定、企業体質の強化に努めてまいります」(平成26年 新年のご挨拶より)など、グループ傘下企業と自社工場とでは今造本社からの影響力が大きく異なります。 もちろんグループ企業の経営陣には今造本社からの役員出向などもありますが、それでも支配力は自社工場とは比較にならないと言えます。 ご質問の答えとしては、対外的に大型船建造に力を入れていくと言う発信と、自社支配力の増強のためのものと思います。 受注や調達などはもとから本社一括で行われていたはずですので、私はこのように考えました。 実際は違う可能性などもありますが、大型船建造という企業の方針が強く影響している事は間違いないと思います。

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