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波動関数の波束が、細かいうねうねに包絡線を乗じたような波形になるのは物理的必然のような気がします。細かいうねうねのない綺麗なガウス波束の場合、そのフーリエ成分もガウス関数になりますから、波数ゼロに近い成分が主成分と言うことになります。よって、波束の運動量の期待値はゼロになります。

黒木さんの調和振動子の数値計算では、初期条件として原点からずれた位置に完全なガウス波束を与えています。これは粒子に初速ゼロを与えたことに相当します。波束の移動速度 (= 運動量の期待値) はその後有限の値になりますが、これは波束のフーリエ主成分の波数が有限値をとるということなので、その主成分の波長で波束は細かくうねうねします。

黒木さんの数値計算の場合、初期位置を x0=-20 にしていますから、運動量の期待値の最大値は p0 = 20 です(m=ω=ℏ=1 の単位系を使われています)。なので、細かいうねうねの波長はおよそ 2π/p0 = 0.3 になっているはずです。

細かくうねうねした波形が反射されれば、入射波と反射波が強めあい、反射点付近の振幅は大きくなるのが必然だと思います。

ありがとうございます。おっしゃる通り、ガウス分布だけですとフーリエ変換したときにガウス分布になります。正負のどちらの運動量成分も持っていることになりますので、波束の中心は変わらないまま左右に広がっていくことになります。 初速を与えているのは exp[ i p_0 (x-x_0)/2 ] の部分です。これを入れることでフーリエ変換後の運動量の成分は一様に p_0 だけシフトしますので、波束全体を動かすことが可能になります。 これは一定波長の位相変化を起こす波に対して、ガウス分布を包絡線とするような振幅が掛け合わされている形になります。 これを初期値として使い、シミュレーションで実数部分と虚数部分を分けてグラフ表示したときには、この位相変化の波長が目立つことになります。ポテンシャルによる散乱の際にも、入射波と反射波が干渉を起こして、この「手で入れた波長」が目に見えるようになります。 恣意的に導入した波長なのですが、シンプルな式で波束を動かすためには仕方がないものですね。

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