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失楽園を読む・知るのに1番いい資料ってなんですか?

質問、ありがとうございます! 失楽園について、読む、知るために良い資料は何か?という質問ですが、 個人的なオススメ、というか、僕自身がよく参考にするのは岩波文庫 平井正穂訳のもの(https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%B1%E6%A5%BD%E5%9C%92-%E4%B8%8A-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%B5%A4-206-2/dp/4003220625)と、 ダートマス大学ミルトン読書室(https://milton.host.dartmouth.edu/reading_room/contents/text.shtml)の初期近代英語の文になります。 岩波文庫の失楽園は巻末の訳注がとても良いので、また、読みやすく、手に入りやすく、それでいて詩のもつ雰囲気を受け継いでいる感じがして、その点が好きです。 また、ダートマス大学ミルトン読書室の、初期近代英語で書かれている失楽園は、詩のもつリズムや音を知る事ができるので、読むのが難しいのですが(少なくとも僕は英語がとても苦手なので…)オススメです。 また、これの注解は、かなり良いです。細かく指摘があるので最高です。 しかし、二つが最も優れているか?といえば、時と場合によると思います。 ベーシックにおすすめできるのは上記の二つですが、以下に①初級編②中級編③上級編の3種に割り振ってご紹介させてもらえればと思います。 紹介するのは ※アクセスしやすいであろうもの に絞っています。 ※書店に行けば置いてあるものか、Amazonなどの通販サイトを利用すれば定価で買える、中古本を探す必要がない、あるいはパブリックドメイン化されている、などをアクセスしやすい、と想定しています。 先に断りとして、僕はあくまでも、メギドの考察をする1ユーザーに過ぎない存在です。 失楽園を研究される先駆者からすると、トンチンカンなことを書いてしまっている、かも知れません。 しかし、その上で、メギドを考察する1ユーザーの視点から見て、これまで考察する上で参考にしたもの、便利だったものを紹介したいと思います。 大きく間違っている場合は訂正、あるいは、足りない部分に関しては補足してもらえると非常に助かります。 ①初級編(岩波文庫 平井正穂の翻訳が難しい、あるいはもう少し手軽に知りたい場合) ○イースター・プレス社の「失楽園(漫画で読破96)」 概要を簡単に知りたい場合にオススメです。 短時間で、全体像を把握するのにとても役立つ作品です。 ただ、かなり簡略化されているのでその点に留意してもらえれば、と思います。 ○宝島社の「ドレの失楽園」 ギュスターヴ・ドレの挿絵がまとまって見れる点が良いと思います。 翻案なので、その点が注意すべき点です。 ドレの挿絵は、パブリック・ドメインとなっている作品ですから、一応ネットで探して、端末に保存しておくことも出来ますが、本にまとまっていることが助かる場面もある、と思います。 ②中級編(平井正穂の翻訳以外の情報を得たい場合、かつ出来るだけ日本語で知りたい場合) ○冨山房の繁野天來述 失樂園物語(https://web.archive.org/web/20040818104044/http://www.sm.rim.or.jp/~osawa/AGG/paradiselost/plost-story.html) 天來の失樂園物語は古いので、現在の文章のように読む事は難しいのですが、ミルトンの失楽園を大胆に解体、再構築しており、別の視点から失楽園を読み解きたい!という場合に非常に役立ちます。 この作品以外にも天來は失楽園研究に関する本をいくつも出しているので、よりステップアップしたい場合は参考にしてみるのも良いと思います。 (実物の本は保存状態に難がある場合もあるので、パブリック・ドメイン化された上記リンクを利用するのが良い、と思われます) (藤井武や内村達三郎の「失楽園」は天来の「失楽園物語」以上に手に入れづらいと考えています。白井正孝の「ミルトンの詩想」は中古本なら見つかる、と思います。) ○聖書(僕は主に1955年訳を参照します。)及び注解本 「失楽園」が旧約聖書、新約聖書を参考にした作品であるので、聖書について知ると文脈が読み解きやすくなる、はずだと思い、参考にしています。 (主に旧約聖書「創世記」「出エジプト記」や新約聖書「ヨハネの黙示録」を把握しておくと良いと思います。) 既に信仰がある場合は別なのかもしれませんが、そうでないなら、注解本は一冊ではなく、複数にした方が良いと思います。(宗教的な立場がどうしても現れてしまう、と僕は考えて複数当たるようにしています。) しかしながら、聖書はパブリック・ドメインであるため、ウィキソースなどを当たれば無料で簡単に読むことができますが、注解本は一冊一冊がそこそこの値段で、複数入手はハードルが高いと思います。(ハードカバーの本なので特別高い訳ではないのですが…) しかし、僕はキリスト教者ではないので、これが良い!とも断言出来ません。すみません…。 ○ミルトンの「復楽園」 Paradise Regain'dは失楽園の続編ともいうべき作品で、失楽園で何を描こうとしたのかを理解する上で欠かすことのできない作品です。 ただ、問題として翻訳本が少々手に入りにくいという状況にあります。 (古本でも中々難しい状況にあります。英文であれば、ダートマス大学のミルトン読書室でも読めるので参考にしてもらえればと思います。) ③上級編(失楽園をより深く読み解きたい場合、とくに日本語じゃなくても平気な場合) ○ミルトンの「キリスト教教理論/De Doctrina Christiana」 失楽園がミルトンの作品であるので、すごく重要になってくるテキストだと思われます。 作中には、失楽園での描写についてミルトン自身の解説が含まれており、より深く読みたい場合は必読と言えると思います。個人的にイチオシです。 (https://archive.org/details/atreatiseonchri00miltgoog/mode/2up) ○ciniiなどのサービスを利用して「失楽園」に関する論文を読んでみる。 自分以外の視点を取り入れる上で、論文に目を通してみる以上に便利な方法はない、と個人的には考えています。 ここまで書いて5000字を超えそうなので以下は作品名のみ挙げて行こうと思います。 抜けがあったらすみません。 ○ギリシャ神話(とくにホメロスの「イーリアス」やウェルギリウスの「アエネーイス」など) ○スペンサーの「妖精の女王」 ○ダンテの「神曲」 ○シェイクスピアの「夏の夜の夢」「尺には尺を」 ○Genesis B ○トマス・アクィナスの「神学大全」および「在るものと本質について」 (○うたわれるもの)

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