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畑中さんこんにちは。
しがない漫画家です。

自分が面白いなと思った作品を誰かが酷評していると、認識を改めてしまいます。
心の何処かで作品をつまらない!とバッサリ斬っている人を、ハッキリ自己主張できてすごいと思っているのかもしれません。
なので好きな映画や好きな音楽を聞かれた時も胸を張って答えられません。
作品と自分の感覚に失礼だなと思います。

自分の感覚を信じ切るにはどうすればいいのでしょうか。

沢山後輩の編集者を見てきて実感するのは、作品の良いところ・光るポイントを見つけて具体的に語ることと、作品の悪いところを語るのとでは、圧倒的に光るポイントを見つけて語ることの方が難しく、大抵のいわゆる仕事ができないと言われている編集者は、まずこれが出来ません。 でも、これは考えれば当たり前のことで、おそらく他の職種でも「ここがダメ、あそこがダメ」と不満だけを言い募り何も生み出さない人間の方が圧倒的に多く、「これ、面白いぞ。可能性あるぞ」と状況や技術・商品の光る部分気づくのはごく一部なんじゃないでしょうか。 「ここが光るところなのに、このせいで台無しになってる!勿体ない!」という酷評はアリだと思うのですが、光る部分を見つけることのない酷評というのは、だからまぁ、正直言うと、誰でも出来る簡単なことです。 逆に、それに反論しようと、具体的に光る部分を語る、面白い部分を具体的に語るということは、凄く凄く難しいことです。 なのでおそらくですが、あなたがぶつかってるのは「面白かった部分を具体的に言語化する能力」なんじゃないでしょうか? 直感的に良さを受け取る能力はあるのに、良い部分についてはっきり語れない、上手く説明できない。 語れないから、自信がなくなってくるだけでは? この言語化ができないということは、 描きたいものと、出来上がった漫画に乖離が出ている可能性もあります。 思ったようなものを作れない、描けないということはありませんか? 正直、光るものを感じる能力自体は教えるのが難しいな…と感じているのですが、受け取る能力がある人が、それを言語化するのは訓練で絶対できます。 自分の中の「面白い」を言語化することで、それがあなたの漫画としての技術になっていく。 酷評している人の話を聞いても、何にも身にならないので、まずは自分の内なる声を丁寧に聞いてください。 どこが好きだったのか。 漫画ならば1P目、1コマ目から確認してください。 どこのコマで心が動いたのか。 なぜここで動いたのか。 そのコマのせいなのか?それとも、数ページ前のシーンが効いているせいなのか? 一個一個、確認してみてください。 そうすると、その漫画の凄さ、光る部分が具体的に浮かび上がってきます。 最初は時間がかかるかもしれませんが、経験上割と早めに具体を色々語れるようになります。1年後には別人になっています。 本当です。 信じてください。 きっと漫画も飛躍的に上手くなります。

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