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J・さいろー先生はメシアガールでは企画・原案ということでしたが、
この企画っていうのは具体的にはどのようなお仕事内容なのでしょうか?
差し支えない範囲で構いませんので教えてください!

企画のついてのご質問、ありがとうございます。 先月いただいたご質問なのに、ご回答遅くなってしまいスミマセン! メシアガールのデコについてのご質問もいただいていたので、こちらにまとめさせていただきました。 以下の話は経験談ベースになりますが、同業者さんのお話を聞いても似たケースが多かったので、おおむね一般的な例になるかと思います。   *** これまで参加した中で「企画」としてクレジットされたエロゲは何本かありますが、「企画業務をお願いします」というオファーは一度も受けたことがありません。 なので、クレジットに「企画」と書かれている作品も、業務として請け負ったわけではありません。 正しい意味での企画者というのは、ゲームの企画書を書いて、稟議を通した人になります。 ほとんどの場合が外注クリエイターではなく、社内の管理的な立場の人(プロデューサーやディレクター)です。 『メシアガール』についても僕が企画を持ち込んだわけではなく、料理と着せ替えをテーマにした萌えエロソシャゲを作りたいという企画書があって、それに合った人選ということで、プロデューサーさんからオファーが来た……という形になります。 ゲームの制作は、かなりざっくり分けると、 1:企画 2:制作 3:運営 の3段階があります。 パッケージのエロゲは、おおむね「2:制作」が終わればマスターアップで発売になります。 「3:運営」があるのは、ソシャゲや、ダウンロードコンテンツありきのゲームになります。 「3:運営」の最中も、「2:制作」は継続されるので、通常3と2は同時進行になります。 どちらにしても「企画」というのは、おおむね実製作が始まる前段階のお仕事になります。   *** 一般的なノベルゲームにおいて、シナリオライターが担当する「企画パート」というのは、だいたい以下の通りだと思います。 1:世界観の作成(設定づくり) 2:キャラクター作成 上記1、2を指して『企画』と呼ぶことが多いです。 「企画」のオファーが来たことはありませんが、「設定づくり」のオファーは来ます。そして設定をつくると、クレジット上は『企画』になる……というイメージです。 企画の作業がひと通り終わると、シナリオライターは実制作に入ります。お話のプロットを作り、シナリオテキストを書く作業です。 実制作が開始されたあとに、企画まわりの作業がふたたび発生することは滅多にありません。 メシアガールにおいても、だいたい同じようなことをしていました。 なので僕が企画に関与していたのは、シナリオを書くよりも前の段階……だいたい2018~19年前半くらいの期間だったと思います。 その時点では、まだどんなゲームシステムになるか決まっていなかったので、どうなっても対応できるように意識しながら、世界設定や、デコラシオンまわりの着せ替え設定、各キャラクターの設定などを作りました。 メインストーリーやイベントシナリオは、ゲーム本体に合わせて、運営さんの指示とチェックをもらいながら作成しました。 なので僕が主導して作っていたのは、もっぱらキャラの個別ストーリーとHシーンでした。 普通のパッケージゲームと違って、エロ1シーンあたりのテキスト量を考えたり、キャラ個別ストーリーを何話で構成すれば愛着を持ってもらえるか……など、構造的な部分も決めることができたので、とても楽しかったです。(TGsmartさんのインタビューで触れています) なんでもできる「ラブローゼの間」の概念や、「いつでもフィニッシュ」のような、個人的に温めていたアイデアも採用してもらえたので、結果としてクレジットに『企画』を付けてもらえることになったのだと思います。 ここも、特に決めごとがあったわけではなく、「クレジットは企画・シナリオでいいですか?」「OKです」くらいのやり取りで決まりました。 『メシアガールおかわり』からは、「企画・シナリオ」ではなく「企画・原案」に変わっていますが、これも自分から変更をお願いしました。 どこの現場でも、(実態さえ伴っていれば)クレジットはその場のノリで決まることが多いイメージです。 なお、メシアガールの世界設定については、ひとりで作っていたのではなく、企画協力の荒川工さんにたくさんご助力をいただきました。 特に、地名などの固有名詞については、とてもお世話になりました。 荒川さんについても、「設定作りの協力」=「企画協力」というクレジットになったのだと思います。   *** もうひとつ長文で『企画と運営はどう違うのですか?』的なご質問があったのですが、上記のとおり、企画はスタート段階にするものであり、運営は最終的にリアルタイムで進行していくものなので、時系列としては真逆のお仕事になります。 メシアにおいては企画終了後、ひたすらADV制作に専念していたため、運営のお仕事とはほぼ無関係でした。 ゲームの遊び方を知ったのもリリースされてからでしたし、次に何のデコが実装されるかもイベントシナリオの作成依頼が来たときにわかる……という具合です。それが正常な形だと思っています。 ただ、たとえば本番のないデコが固め打ちで実装されたりすると見え方が良くないので、そういうときは意見を出したりしていました。 おかわりの実装状況を見ていると、そのあたりはしっかり調整してあるみたいで嬉しく思っています。 直近でも、サンタイノコのように本番が無いデコは軽めのピックアップになっていたので、いい感じだなーと思っていました。 全部本番のHシーンだけにすると、それはそれでガッカリしてしまうユーザーさんがいらっしゃるので、バランスを取りながら本番と非本番を混ぜていくのが良い気がしています。 (個人的には、課金がからむものは本番にして、無料パートに非本番を混ぜていくのが良いのかなと思いますが……あくまで部外者個人の考えです。) そのあたりはプロの運営さんが大枠を決めて、製作側は良い素材づくりに専念するのが、調和のとれた開発環境なのかな……と感じています。

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