①原子番号100番以上の元素合成に用いられる「冷たい核融合（※1）」という合成手法の基礎を確立しました。 ②記録的なパラメーターを持つ重イオン加速器(U200, U300, U400, U400M)の開発と建設に貢献しました。 ③ロシアのモスクワにある「ドゥブナ合同原子核研究所」で新元素合成の指揮を執り、数多くの超重元素（※2）を合成しました。 （参考：http://flerovlab.jinr.ru/flnr/people/oganessian.html） ※1 元素合成では、合成に使う元素同士の原子番号の差が出来るだけ大きくなるように材料元素を選ぶのが基本です。そうすると、たとえば Pu+He→Cm のように、原料の片方が放射性元素になります。「放射性元素+非放射性元素→新元素」という方法は現代では「熱い核融合」と呼ばれます。これに対して冷たい核融合は、原子番号の差を大きくすることはほどほどにして「非放射性元素+非放射性元素→新元素」という合成のことをいいます。これは放射性元素を原料とすることで生成する原子が不安定化することを嫌った作戦で、実際に近年合成されたニホニウムなどの元素は「冷たい核融合」で合成されています。 ※2 命名権を取得できた元素も取得できなかった元素もありますが、非常に多くの超重元素の合成確認を報告しています（ニホニウムの合成確認も報告していたりします）。そのうちオガネシアンが指揮を執り命名権を獲得できたものはフレロビウム、モスコビウム、オガネソン。