
Spotifyのラウドネスノーマライゼーション(以下、LN)について複数ご質問いただきました。 ■リミッタがかかることはほぼないか? 簡単な返答としては「現在は」「ほぼ」ありません、ということになります。 詳しい説明は次のとおりになります。 今年のはじめ頃までSpotifyは、再生する楽曲が基準ラウドネス以下であった場合に、そのレベルを上げる唯一のメジャーな配信事業者でした。 そうしてレベルを上げたために0dBFSを越えた信号は、プレイヤーの内蔵リミッタで処理されていたため、特にジャズ/クラシックを中心に聴かれる方にとってLN機能を使いにくいものにしていました。(現在もSpotifyのリミッタのリスクについて解説する文書などがあれば、これは誤ってというよりも「やや古い」情報です) この仕様はのちに変更され、現在はユーザがLN設定を能動的に「大音量」に設定した場合にのみ、「超過分にリミッタを掛けてでも、高めの基準ラウドネスまで持ち上げる」動作をします。それ以外のモードでは、基準ラウドネス以下の楽曲は0dBFSを越えない範囲で持ち上げられます。 ■音質が低下することはないか 再生音量が変わると、音量だけでなく帯域バランスも変わってきこえます。もし「等ラウドネス曲線」をご覧になったことがなければ、一度検索されることをお勧めします。人体の不思議。 さて、質問者さんは検聴時に「iPhoneのボリュームを操作して音量を『だいたい』揃えた」とのことでした。 再生音量が0.1dBでも変われば音質は違って聞こえます。iPhoneのボリュームで、ましてやサイドボタン(3~5dB単位で音量が変化します)でそこまで厳密な比較が可能だとは思えません。 LNの有無により音質差が生じるのが気のせいかどうかを確認する方法を2種、ご紹介させていただきます。 1. LN On時、Off時の出力をそれぞれ録音して、編集ソフトでレベルをきっちり揃えて聴き比べます 特にアナログ出力を使用する場合、携帯端末によっては回路を最大レベル付近で駆動するOn時の方が、むしろ音が歪み、滲んでいることに気付かれる場合もあるかもしれません。 2. 適当な音源をPCでレベル操作してみる 洋の東西を問わず、今日現在ヒットチャート入りするような曲はSpotifyの基準ラウドネスに合わせると3~4dB、場合によっては8dBほど下げられることもあるかと思います。適当な音源をPCの編集ソフトに取り込み、レベルを下げる前後で聴き比べてみてください。 SpotifyでLNをOn/Offしたときのような「音質変化」は感じられましたでしょうか?
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