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環状グルコースは不斉炭素原子を5つ持つので、光学異性体が2の5乗で32個あると書いてあったのですが、この16個の中に、同じ六員環を持つD型ガラクトースやL型ガラクトースなどは含まれていますか?また、五員環構造をとるD型フルクトースやL型フルクトースは含まれないという認識であっていますか?そもそも、グルコースとフルクトースorグルコースとガラクトースはジアステレオマーの関係なのでしょうか?

沢山質問してしまい申し訳ありません!自分の理解力が足りず調べても分かりませんでした…

『ヴォート基礎生化学』にすべて載っていますが、 まずは環状糖ではなく直鎖糖を考えましょう。さらに末端がアルデヒド基であるいわゆるアルドースのみ、さらにD体だけを考えましょう。最も単純なアルドースは三炭糖であるD-グリセルアルデヒドです。ここからH-C-OHユニットを増やしていって六炭糖まで増やしたとき、炭素を3つ増やしていてHとOHの立体により2^3 = 8種類の六炭糖が出来ます。具体的には次の8種類です。 アロース、アルトロース、グルコース、マンノース グロース、イドース、ガラクトース、タロース この8種類が「互いにジアステレオマー」と呼ばれるものです。さて、これらが環状構造になったときに異性体としてα体とβ体が発生します。α体とβ体を「互いにアノマー」と言います。さらに今回はD体しか考えていませんが、光学異性体としてL体もあります。D体とL体を「互いにエナンチオマー」といいます。つまり最終的に、8(直鎖のジアステレオマー)×2(アノマー)×2(エナンチオマー)=32種類です。32種類を完全に言い分けるときは「β-D-グルコース」などと呼びます。というわけで、グルコースとガラクトースはジアステレオマーです。 フルクトースはアルドースではないので上の32種の括りの中には登場しません。フルクトースはケトースと呼ばれる一群に属する六炭糖です。なのでグルコース/ガラクトースとフルクトースはそもそもが別のグループで、互いに立体異性体ではありません。ただし組成式が同じ(一分子中に含まれる元素の比が同じ)なので、グルコース/ガラクトースとフルクトースは「構造異性体」ではあります。 ということが『ヴォート基礎生化学』とかに書いてます。読んでください。あとは「異性体」の包含関係をしっかり理解するとこのあたりの話を整理しやすいです。 (余談。質問文に「光学異性体が32種類」とありますが、光学異性体という語彙は運用が難しい(誤読しうる)語彙なので使わない方がいいです。詳細はWikiedeia「光学異性体」をご覧ください。より誤解のないように「立体異性体が32種類」というべきです。ちなみにエナンチオマーの関係を言いたいときは「鏡像異性体」と言うと一意で誤読の余地なしです。)

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