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○○酸塩みたいのを○○酸って呼ぶ事があると思うんですけど、○○酸と○○酸塩って性質的にどんな風に違うのですか?
(共通する部分もあるから呼び方が曖昧になるのかと思ってます)

「〇〇酸塩」のことを「○○酸」と呼ぶことは、普通はないと思います。というのも、両者は化学的に異なる物質を指すので混同して用いると不便な場合が多いためです(混同して使われている例、パッと思いつきません。教えてください)。 硝酸HNO3という物質がありますが、これを水などの溶媒に溶かすと、硝酸分子は水素イオンを放出する、すなわちH+と(NO3)-に解離できるので、ブレンステッド-ローリーの定義でいう「酸」です。生じた(NO3)-は溶液中でH+と再結合することももちろんありますが、別の陽イオンと結合する場合もあります。例えば溶液中にNa+があると、結合して硝酸ナトリウムNaNO3になるし、K+がある硝酸カリウムKNO3になります。このように、酸のH+が別の陽イオンに置き換わった物質を「塩」といいます(中高では「酸と塩基の中和により生じるものが塩である」という文句で学びますが、起きていることは同じです)。この場合、硝酸ナトリウムや硝酸カリウムは「硝酸塩」と呼ばれます。硝酸と硝酸塩では分子の含んでいる元素の種類が違いますので、化学的には別物です。ただし「○○酸塩」は「○○酸」から調製可能です。○○酸と○○酸塩は物質として別物なので、化学的性質も異なります。高純度の硝酸は(つまりほとんど水を含まない状態でも)液体ですが、硝酸塩は固体です。 余談ですが、ひとつ注意が要りそうな○○酸塩を紹介します。医薬品でよく「○○塩酸塩」を見ると思います。上の説明から類推すると、これは「○○が塩酸HClの出したH+と置き換わったもの」に思えます。つまり「○○Cl」みたいな構造を予想するわけですが、実際は「○○HCl」という構造になります。つまり○○に塩化水素分子がくっついた状態です。これは詳細に見ると、HClがH+とCl-に解離したあと、H+が○○と結合して(H○○)+という状態になり、これとCl-が結合することで「○○HCl」となります。たぶん慣習なんだと思いますが、ちょっと命名規則が違うので注意しましょう。

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