「センス」って言葉を使ってしまうと「普通に生きてたらこれくらい出来るでしょ」の一言で終わってしまうので、「自分が何を考えて編集しているか」「他人の伸びてない動画を見てどう思うか」という観点から「僕の動画の作り方」を語るとするなら、なにより大事なのは「自分がやりたいネタ」より「歌詞の中から出てきたもの」を優先する事です。 ふけつ行為博物館はかなり異例なので、これには当てはまりませんが、基本的に歌詞の単語の一部(主に語尾)を使って新しい単語を作って、それを並べ替えて物語を作る、という事の繰り返しです。 例えばサビで「糞土方がウルトラマンに変身してケンチジオンと戦う」という話をやりたいとしても、そこにたどり着くまでのサビで「糞土方とウルトラマンがぶつかって糞土方が死ぬ」とか「県知事が怪獣になる」とか、そういう物語を作れる単語が見当たらないのなら、それは全部ボツにするべきです。歌の流れを無視しすぎると「もう元の歌は何でもいいんじゃねーか」と呆れられてしまいます。少なくとも僕は呆れます。 浦島太郎で動画を作るとしましょう。「昔昔、浦島は　助けた亀に連れられて　竜宮城に来て見れば　絵にも描けない美しさ」 原曲はまだ続きますが、ここでは一番までのひとくち糞土方を作ると仮定します。この文章量、尺でオチまで持っていく。僕がたまに「名詞は名詞、動詞は動詞という単純な改変」と表現する、その改変をしてみましょう。 「昔昔、糞土方は　助けた浮浪者に連れられて　滅多に人が来ないところに来て見れば　絵にも描けない糞まみれさ」 あまり面白くないです。映像で面白く持っていくことも出来ますし、フルで作る場合に「3番にアレがあるから1番はオーソドックスな改変をするべきだな」という判断をして、結果的にこうなる可能性はありますが、少なくとも「この曲で動画を作るぞ。歌詞を考えてみよう」という時に一番最初に出てくるような歌詞ではない。 でもたまに、単語を置き換えただけで滅茶苦茶面白くなる歌詞があります。そういう場合はそのまま行くべきです。その判断をどうするか、という話なら、それは「自分が面白いと思うならそうしろ」としか言えません。 パソコンの前で「ぶぇはははｗｗｗそｗんｗなｗわｗけｗあｗるｗかｗ」と思わず独り言を言ってしまうくらい面白いなら、その歌詞改変をやるべきです。 いつも通りの改変の話に戻ります。まずは「字ではなく音から発想する」「単語の語尾残し」。童謡ですから音源は色々あるでしょうが、基本的にこの歌は「むっかしいーむっかしいーうーらしーまわー　たーすけったかーめにい、つぅーれらーれてー　りゅーっうぐーっうじょーにーきーってみーればー　えーにもかっけないうっつくーしさー」です。 伸ばし棒と母音の使い分けは適当です。文字じゃなくて音の話ですから、そもそも文字起こしする必要はありません。自分で聞いて歌って確かめてください。 そして語尾残し。例えば、「むっかしー」を「ムカデ」にするとします。「むっか」という歌声を残し、糞土方の「出口を求めて」の「出」を置く。すると、「むっか ﾃﾞ…」という尻すぼみで耳障りのよくない音になります。 クソエリオンとか変態華撃団の作者様なら気にしなくていいでしょう。土方の音声を伸ばしたり音程を変えたりして「歌わせる」事が出来ますから。僕には出来ないので、なるべく語尾を残すべきです。 つまり「○かし」あるいは「○し」です。恥ずかしい、お菓子、カカシ、岡山市、タカシ、たまらなし、などでしょうか。 動画が始まって一発目の歌詞という事を考えると、恥ずかしいとかたまらなしとかは使いづらい感じがします。 「浦島は」は「浦島」という名詞と「は」という助詞の組み合わせですから、元を意味を残さないように「○○わ」という言葉を考えてみましょう。何も思いつきませんでした。 でも今「タカシ、武蔵、浦島の三人で」というネタを思いつきました。何だこの三人！？というボケ。浦島太郎の物語をそのままやってるんだけど、そこにタカシと武蔵がずっと居る、みたいなギャグも出来そう。 武蔵は原曲改変にするべきでしょう。原曲の「む」「し」の間に土方の「さ」を入れたら聞きづらいに決まってます。最後の「美しさ」の「さ」がありますね。使いましょう。 映像でポンポンポンと三人を出したら面白そうです。タカシはいらすとやの男の子にしておきましょう。有名な「タカシ」と言えば、今パッと出てくるのは岡村さんくらいですが、三つのものを並べる時の基本は「弱・強・もっと強」です。いきなり岡村さんが出てくると武蔵が霞みます。タカシくんね。えっ武蔵？そしてここに浦島！？この三人が出て来てこの先一体どうなってしまうんだ～～！！と視聴者に思わせたいので、最初はただのタカシくんにします。 文字数限界まで書いたらなんか送信できなくなったので続きはツイッターでします。