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相談です。

現在言語聴覚士として働いている方にとっては不快に感じるかもしれない相談内容だと思います。
こういった暗い質問や相談を受け付けていない場合は返信していただかなくて大丈夫です。



言語聴覚士をやめてよかったと言っている方達が、言語聴覚士は高次脳機能障害や失語の患者さんにはエビデンスもない意味のない療法しかできないし、嚥下などなら看護師さんや介護士さんでもできる。虚業で、恥ずかしいと言っていました。

理学療法士さんや作業療法士さんのようにわかりやすいリハビリでもないし、まるで患者さん相手に詐欺をしているようだとも、言っていました。


単位をとれないから病院でも邪魔者扱いだと聞いてショックを受けました。頑張っても給料は変わらないしその給料の中で認定資格などを取れない、とっても意味がない。
やりがいもない虚無の仕事をあと30年も続けられないなどいろいろ言われていました。

私は言語聴覚士さんは、患者さんの嚥下訓練などで活躍されているイメージや、高次脳機能障害の訓練などは機会は少ないものの専門的な知識を持った医療従事者だと思っていて、やることがたくさんあるやりがいのある仕事なのかなと思っていたのですが雑用が多かったり、責任を負わされたり、エビデンスのない療法など虚業と聞いて本当に働いていけるのか…?と不安になりました。
勉強をするリハ職を馬鹿にするような方々も多くて不安です…


辞めていった方達は、言語聴覚士というお仕事が合っていなかったため辞めていったのだと思いますが、今現在言語聴覚士として働いているひとりさんは言語聴覚士のお仕事をどう思われていますか?

ご質問ありがとうございます。 言語聴覚療法が虚業等のネガキャンをしているサイトは大体察しがつきます。 Twitterではそこまで直接的な意見は出ないことが多いですので。 質問者様はそれらを見てSTを目指すにあたり、その将来に対し不安になられたということですね。 難しい質問だとは思いますが、私見を述べさせていただくと、私としては言語聴覚士を虚業だとは考えていません。 意味のある仕事ではありますが、運用の難しい職なのかなとも感じます。 以下質問(悩み)に答えていきますね。 (多少辛口かもしれませんが、御了承下さい) 失語症や高次脳機能障害についてですが、脳卒中治療ガイドライン等に示されているように一定のエビデンスは有しています。 特に失語症は長期間の介入で少しずつ改善していった研究もあります。 しかし、一方で認知症が強かったり、全身状態が悪いと治療効果がなかなか出てこないのも事実です。 また運動機能と異なり、視覚的に見えるものではないので、本人の自覚が乏しい場合や、病棟・家族等の周囲環境が手薄な場合も改善は難しいでしょう。 そうしたことから、エビデンスレベルとしてはあっても、本格的な治療対象にできる職場が少ないことは事実といえます。 その際に無理強いをすることは「意味のない治療」になってしまうのかもしれません。 嚥下については、多職種連携が必須なので、看護師や介護職員が嚥下に携わるのはそれはそれで間違いではないと思います。 栄養士や理学療法士、歯科医師等の存在も重要でしょう。 私個人としては嚥下に関して、「言語聴覚士にしかできないこと」というものは無いと考えています。 ただ、養成教育の時点で嚥下障害に対して包括的に学ぶ機会があるのは言語聴覚士だけなので、多職種の職能をコーディネートして調整する役割があると思います。 その意味で現状では、言語聴覚士は嚥下には必要と考えます。 ただ、今後摂食嚥下認定Nsや嚥下に詳しい歯科医師が多数になってくればこの状況も変わってくる可能性があるので、嚥下において言語聴覚士にしかできない職能を示す必要性は出てくると個人的には思います。 単位についてお荷物かどうかは職場によると思います。 言語聴覚士は疾患別リハの種類が理学療法士、作業療法士より少なく、汎用性に欠けるのは事実です。 実際に患者や病棟のニーズから考えても運動機能の方が優先されやすい傾向はあるでしょうね。 老健や特養辺りでは特にそれが著しいと感じます。 この辺の需要に対してどう動いていくかは、言語聴覚士の養成教育でも課題かもしれません。 仕事を頑張っても給料が変わらないことは残念ながら一つの事実です(少なくとも普通の頑張りでは)。 保険診療で業務を行っている為、収入の増加は見込みにくいですが、一方で極端に下がるということも少ないと前向きに捉えることもできます。 それでも収入を気にされるなら、訪問リハのインセンティブを「頑張って」稼ぐか、公立病院や企業立病院(トヨタ等の病院)のような収入の上がりやすい職場に「頑張って」入職して稼ぐかが現実的な方法かと思います。 セラピストに限らず、仕事自体を「頑張って」給料が上がる職種というのは思っているより少ないです。 認定の取得は必要性次第でしょうね。理学療法士協会は認定等による診療報酬差を考えていたと思いますが、実現していません。 言語聴覚士も同様です。 よって現状では、認定の有無で待遇が変わるというケースは少ないといえます。 雑用は言語聴覚士は教材を自作したり、アイス棒作ったり等確かに多いかもしれません。 しかし現在では訓練アプリやネット上で訓練教材がかなりありますし、アイス棒も使い捨ても売っていますので、活用次第でそうした時間は減らせると思います。 勉強するセラピストを馬鹿にするやつは放っておきましょう。リアルでは意外とそこまで言ってくる人は少ないですよ。 大体の質問(悩み)には回答させて頂きました。 以上が私からみた言語聴覚士の現状です。 大変長くなり、恐縮です。 これを見てやりがいがあるかどうかは人によるかと思います。 ただ私個人としてはやりがいは自ら作っていくものだと考えています。 少なくとも言語聴覚士は医師や看護師のようなわかりやすいやりがいを容易く享受できる仕事ではないです。 故に多人数に埋もれると、やりがいを得ることは難しいかもしれません。 その辺りが私を始め、一人職場が多かったり、開業されている方が少なくない所以なのかもしれません。 置かれた場所で咲くより、咲き誇れる場所を探した方が早いでしょう。 職種的に未だに少ないため、言語聴覚士に対する評価は良くも悪くも不安定ですので。 これを読んで少しでも言語聴覚士に対して目指したい気持ちがあれば、是非この業界に飛び込んでみて下さい。 この質問は人によって回答がまちまちだと思うので、良ければ他の方にも聴いてみて頂けると幸いです。 日頃のツイートからもお察し頂けるように、私は変わり者の言語聴覚士ですので。

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