絶対にすぐに報告してほしいもの ●連結期400ms以下の単発orそれで始まる多形性の連発 ●QTが伸びている症例での多形性NSVT 後でも良いので確実に報告してほしいもの ●EF≦35%の症例で生じた3連発以上(虚血症例は40%以下も) ちなみにこれらはモニタを出力して、一度は電子カルテ上に記録しておいてほしいものになります。 なお、どのような不整脈であっても、胸痛やST上昇を伴ったり、陰性化していたT波が再度陽転化しているとすぐに対応が必要なのも忘れないようにして下さい。 その他については、ACS治療後や残存虚血のある症例、離床や運動負荷とともに出現したものについて注意し、適宜主治医と相談で良いと思います。 また、特に注意が必要な状況は、再灌流まで時間を要した症例(原則的に血行再建の適応のない24時間以上経過した症例を含む)やST上昇残存例などです。これらはrupture riskが高い症例でもあり、PVCに限らず、離床時に注意しておかないと『急変』してしまうかもしれません。。。 なお、Lownの分類は1971年の下記論文に記載されているものだと思います。 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/01.CIR.44.1.130 冠動脈疾患患者の心臓突然死を防ぐためにハイリスク患者を見つけるためにこうした分類が提唱されたようです。ただし、この頃には抗不整脈薬で突然死を防げると考えられており、現在のCAST study(NEJM 1991)以後の循環器学とは大きく違うことには注意が必要です。また、この論文にも記載がありますが、PVCが全然なくても突然致死的不整脈が生じることもあり、本当にPVCが突然死リスクの予測因子として有用かということも知っておく必要があります。 現在では広くprimary PCIが行われ、β遮断薬をはじめとした心保護薬があります。また、突然死リスクの予測においては心不全症状や左室駆出率が重要視されています。(ICD1次予防の適応をご覧下さい) また、最近では心臓MRIでの遅延造影(線維化)の拡がりがリスク評価として有用であるとも言われています。 循環器内科医としては、将来的な心臓突然死の予防やリスク評価のためにそうしたことを理解して、心保護薬やWCD・ICDの適応を知っておく必要がありますが、メディカルスタッフの方々のベッドサイドにおいては最初に書いたいくつかだけに目を光らせておいていただければ十分です。とりあえず『急変』さえしなければ、専門医たちと協力して医学的な介入を適当な時期にやればOKですから。 (Lown分類ってよく教科書に書いてありますが、どの程度臨床で意識されているのか、私にはわかりません。医学生や研修医に教えたことは一度もありません。)
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