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よく転売ヤーに対して「小売店に利益が入らないから」などと批判するひとがいますが、それっておかしくないですか?
転売ヤーに利益が入るのが嫌なら自分たちも転売ヤーと同じ値段で売ればいいだけですし、そもそも馬鹿正直に希望小売価格を守っている小売店が悪いと思うのですが…

転売ヤーは「在庫が売れればいい(終わり)」ですが、 小売店はそれだけでは済ませられないから、というのがその理由だと思います。 転売ヤーは「売れにくくなったら商材を変えればいい」「トラブルがあったら名義を変えればいい」と、逃げるのが簡単です。 一方で、小売店はそうはいきません。 お客さんにまた来てもらうことが、そして仕入先と今後の付き合いを続けていくことが必要で そのためには「このお店は誠実に商売をしている」という評価を稼ぐ必要があります。 ある意味では、お金よりも信頼を得る方が重要なのですね。 ここで、「転売事情に乗っかって、がんばってる他の小売店や仕入元のことを考えず客に負担を押し付けて自分だけが儲けようとしている」という評価を下されてしまったら、それは目先の売上では取り返せない損失になってしまう可能性があるのです。 加えて、信頼関係だけでなく、業界の未来も守る必要があります。 例えば、ゲーム機で考えてみましょう。 ゲーム機は、一家に何台もあるようなものではありませんし、機体だけがあっても大したことはできません。 なので、ソフトをたくさん買ってもらうことが重要になります。 本体を作れるメーカーさんは限られていますが、ソフトを作れるメーカーさんはそれよりも多くあるので、ソフトがたくさん売れると、さまざまな人がその利益を受け取ることができます。 小売店もその一つですね。 しかし、ソフトが売れるためには、 ゲーム機本体が広く行き渡っていなければなりません。 ものの値段を上げた場合、基本的には、その商品は売れにくくなる、という流れができます。 そのため、本体は、(儲けとのバランスは取りつつも) 手に取りやすいようなるべく安く販売したいという事情があります。 ここに転売ヤーが挟まってきて、使われない在庫を数多く保持したり、値段を吊り上げて買いにくくすると、一般流通が止められてしまうので、とても困ります。 これをされてしまうと、業界の破壊まで起こってしまいかねません。 本来ゲーム機を買えた人がそうできない場合、当然、ソフトも売れません。 業界の人々は、行き渡った本体の数が分からないために売上の予測を立てることが難しくなり、受け取れるはずだった利益を受け取ることもできなくなります。 そうこうしているうちに、買いたかった人たちの購買熱も冷めていったりして、販売機会は永久に(または長い期間)失われ、ゲーム業界は損失を被ることになります。 ゲームで例えましたが、カードゲームやフィギュア等、何でもそうです。 本来活用してくれる人たちへ適正価格で行き渡らないことは、業界の将来性を潰してしまうのです。 娯楽に向けた品でなく、マスク等の日用品だとこのあたりはちょっと違ってくるのですが、説明に疲れてきたのと「馬鹿野郎邪魔すんじゃねぇ」って点は同じなので、割愛します(笑) (転売ヤーが小売店の代わりとなることも実質不可能である、という説明も省略) 転売ヤーの根本的な罪状はこの 「業界の (真っ当な経済活動の) 破壊」なんです。 「小売店に利益が入らない」という不利益はその中のひとつにすぎないため、「小売店に利益が入れば万事解決!」とはいかないわけです。 (なのでそもそも、転売ヤーへの批判として「小売店に利益が入らないからダメ」だけ取り上げられていた場合、ちょっと不足な感じですね)

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