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面白い返しがなかなか出来ません。思い浮かびません。

例えば「パンはパンでも食べられないポテトってゴーリラ?」といわれた際は何が正解ですか?

質問者さん、又は僕が「面白い人になりたい!」と思っている、という前提で考えていきます(少なくとも僕は面白人間になりたいです。ですよね??)。 まず「面白い」の定義を試みてみましょう。 僕が思うところ、会話や表現物の「面白さ」にはざっくり分けて2つの種類があります。 まず1つは「共感」をベースとした「面白さ」です。 例えばみんな大好き、筋肉ムキムキのドラえもんやアンパンマンのイラストは「みんながそもそものキャラクターを知っているという共感」と「(だから)そんなわけないやろ!という共感」の二重の共感によって構成されている「面白さ」ですね。 もっとストレートな表現としては「USB端子が何回やっても一発で刺さらない人」とかがありますが、これはいわゆる「あるある!」の共感によって構成される「面白さ」です。 ちなみにこの「あるある!」は、より限定的な人にだけ伝わる先鋭的なネタになればなるほどより面白くなる傾向があります。 細かすぎて伝わらないものまね選手権が何故か全員に取って面白いのはこの作用が大きいはずです。 さて、これらに共通するのは面白さの前提として「何らかの文脈が共有されていること」です。 この「文脈の共有」が「共感」となり、そして「面白さ」になります。 漫画でいうと『銀魂』とか『WITCH WATCH』、『アフロ田中』なんかはこちらの文脈の「面白さ」を狙った作品群に入ると思います。 対して、こういった共感を前提としない「理不尽な面白さ」も存在します。 かの名作『ボボボーボ・ボーボボ』や『すごいよマサルさん』なんかは基本的にこちらの領域に属する異端の「面白さ」で、絶対数は前者に比べて圧倒的に少ないはずです。 ところが、なぜこのような理解不能の理不尽な「面白さ」が成立しているのか?と考えてみると、実は『ボーボボ』はその構図に『キン肉マン』や『DRAGON BALL』のバトルシーンを多用していたり、細かいパロディーネタが散りばめられていたりと、台詞回しの奇抜さに反して非常にトラディショナルな表現が行われていることに気付きます。 『マサルさん』も、赤塚不二夫(『天才バカボン』)や山上たつひこ(『がきデカ』)を彷彿とされる古典ギャグ漫画的エッセンスは随所に感じられます。 従って、これらの作品は一見無秩序で理不尽なギャグだけで構成された「面白さ」に見えても、その実は先哲の「絶対に誰が見ても面白い」というような普遍的な王道の文脈を備えているのです。 これはドリフのコントが海外でもウケるのと同じ現象です。 この意味で、実は共感を前提としない「面白さ」の中にも、多くの場合はその根底に通底する「普遍的な文脈」があると言えます。 「共感」ではないにしても、我々が本能的に火や蛇を恐れるように、本能的に遺伝子レベルで共有されている「面白いと感じるツボ」みたいなものがそこにはあるのではないでしょうか。 よって、ここでは「面白さ」の定義をひとまず「文脈の共有」だとしておきます。 これを踏まえて質問本文に戻りましょう。 「パンはパンでも食べられないポテトってゴーリラ?」と言われたときに「何か面白い返しがしたい」としたら、まず考えるべきは「その質問にはどんな文脈があるのか?」です。 街中を歩いていていきなりこんな風に声を掛けられた場合はとりあえず瞬発力で「ウホウホウホ!!!」とドラミングのジェスチャーでもしておけば十分及第点ですが、それはライブ的な勢いの面白さであって、ここで議論したいものとは少し話がズレてしまいます。 そうではなく、誰かとの会話の流れの中でこの質問が出てきたのであれば、必ずそこにはなんらかの文脈が存在しているはずです。 例えば、直前で「パンはパンでも食べられないパンは?」という古典的なクイズについての話題が出ていたのなら「皆が知ってるクイズ」という文脈がそこから読み取れます。 そうなら、誰かがツッコんでくれることを信じて(もしくは恥を忍んで自分のギャグを自分で解説するという覚悟を決めて)「うーん……ピザ!!!」と叫んでみるのも一興です。 誰かが「それはヒジって十回言ってからのヤツでしょ!」「いや、そもそも十回言うのはピザの方だわ!」「あれ?ヒザだったっけ?」などとツッコんでくれたら一笑い取れます。 ここでもしツッコミが成立したとしたら、それは「皆が知ってるクイズ」という文脈をツッコミの人と共有することができたからです(ついでに「パン」と「ピザ」でなんとなく小麦粉的な文脈も作れます)。 もし皆が「???」ってなってしまったら、そこはもう開き直って「ごめん、聞いてなかった! 頭の中で違うクイズやってたわ!」と言えばOKです。 あとの流れは上と同じになります。 ここで留意したいのは、当然ですが素人である我々がいきなり笑い飯哲夫・西田クオリティーのものをパッと出せるわけがない、ということです。 彼らはツッコミが存在しなくても個人単体のワードパワーだけで「面白さ」を作れます。 それを可能としているのは、彼ら自身が持つ「面白さ」への飽くなき探求という「文脈」です。 我々がソロで出来ることは限られていますから、ここは素直に徒党を組んで数の力で対抗するべきです。 つまり、その場の誰かにツッコんでもらって成立する(=文脈を共有することで生じる)面白さを目指すのが穏当ではないかと思います。 「面白い返し」とは「文脈に沿った返し」であり、「文脈の共有を促す」ところに「面白さ」が生じるのではないか?と僕は考えています。 従って、「面白い返し」をしたいのなら、まずはその場の会話の流れ、文脈を注意深く「聴く」ことですね。 さぁ、それでは早速練習してみましょう。 僕のこの回答文に対して何か面白い返しをしてみてください! ……何か思い付きましたか? 「いや、長いわ!!」とか「いつもそんなこと考えてんのか!!」とか「次からスペース入りにくいわ!!」とか、その辺を繰り出せば「ここまでアホほど長い回答文を読んでしまった人」という文脈を利用した適切なツッコミになります! ご一緒に精進しましょう😇

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