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テレビにでている某華道家及び作品ですが華道と無縁の自分には正直良し悪しすら全く解らないのですが、華道の嗜みがある方から見るとやはり凄いのでしょうか?

今回の件とは別に世間では持ち上げられてもその道の者から見ても全然駄目というケースもあるので知らぬものをあれこれ一概には言えないとは思うのですが、知っている人に伺いました。

えーとですね。まず。 假屋崎省吾先生は文句なしに凄いです。 他人の作品を見て、パッと見で、コウすればもっと良いよ!などとアドバイスする事は、基本的にかなり、というか相当に難しいです。何より凄いのが、活けた人のコンセプトや感性をそのままにして、クオリティだけを上げた作品にする事が凄い。頭ごなしにこう活けろ、と生徒にやる教育手法の教室や先生が実際の華道会では殆どです。流派流派で違う感性があるのですが、違う感性を大事にする先生って結構少ないんですよ。だから他流派とかに基本的では仲が悪いし、生徒が意味不明な生け方をしたらまず怒る人ばっかりです。 講師の假屋崎省吾先生は文句なしに超一流です。 次に花材。花材は南青山にある超一流店「花茂」さんの物を使っております。基本的に花茂さんは普通の花材屋さんの2倍ぐらいのお値段がしますが、グレードとしては3倍4倍で値段以上の、とてもとても良い花材を扱っております。人気店なので花材が捌けるスピードが凄い、マニアックな花材を予約取り寄せ出来たりしますし、特別な大きさの花材とか難しいものも紹介が有れば取り寄せもしてくれるでしょう。展覧会とか有名デパートに出瓶する華道の先生達では、花茂を知らない人が居ないというぐらいのお店です。 次に假屋崎先生の審査基準。 假屋崎先生の他人の作品の評価はかなり甘めです。恐らくテレビ向け、素人向けだからで、実際の同業者や門弟に対しては厳しい顔を持つと思われますが、それはそれとして、すぐに良い作品に手直ししちゃう所や、評価が難しい場面でも大概ワンランク昇格とかになる印象です。 假屋崎先生の手直し。先生は作品に手を加えますが、基本的に出て来る芸能人さんは生け花を習ってないので、枝を矯めない、花や葉の裏表が分からない、花材の特性を知らない、花材の値段を知らない。ので基本的には、めちゃくちゃです。でもテレビを見てるとそれなりになっております。これはテレビ中で指摘した部分以外に先生が手心を加えて体面を保たせている部分が大です。 真っ直ぐに刺しただけの葉が微妙にカールしてたり、花の向きが真横から正面に変化していたり、ビフォーアフターの際にテロップには無い小さな手直しが垣間見れます。 次に出演者さんの作品群について。 まず花材選び。 出演者さん達は花を大きく活ける傾向があります。花を大きく活けるのは基本的には難しいです。まず高価である事、次に大き活ける花材はグレードが高く、入手しづらい事、立派な花材に合わせたグレードの花器を用意しづらい事。この部分が先生やお店のツテで、無条件に何とかなってしまってる部分が有り、ここは一長一短ではないかな?と私は思います。花材や花器を集める事自体手腕が問われる部分で有り、そんなに簡単なものでは無い。 次に好まれる作風 番組内で発表される生け花作品は全て自由花、盛り花です。特定の型を使った物では無い。なのですが假屋崎先生の好み、もしくは前進の草月流の理から、「全方位から見られても風格がある作品」が尊ばれております。大体の華道作品には、このアングルから見てくれ!って物が存在するものです。花器にも正面があります。なので、全方位から評価されるスタイルは、結構異質な物です。大先生クラスになるとオブジェとして会場の真ん中にドン!と置かれる事が多いから、そういう感じなのかな?と思いますが。大体、玄関や床の間、階段など、活ける場所や見る方向などは決まって居るのが普通。あと、茶道と華道の立ち位置の妙の関係で、あくまでも花は脇役!と考える人は多いです。茶道だとあくまでも主役は掛け軸。花は脇!って感じ、花が主役!って哲学の人ってなかなか居ないんですよ。なので全方位システムの生け方は、何というか挑戦的な試みだと考えます。 番組では華道の理を分かりやすくお茶の間の皆さんに届けているので、布教番組としてはこの上なくありがたい存在です。 華道する人って大体が御年配ですからね。若い人が興味を持ってくれるだけで嬉しい。基本的に男手が足りないんすよ。華道会。重いもの持つし、ノコギリとか使うし、山に分け入ったりするし、体力が要る。体力的にイケてる人が、華道の素養を持ってるか?ってなると、そこは反比例する事が多いんだな。トラックの運転手とかに花器の高いヤツとか預けたくないから自分で運ぶ、自分しか信じられない。とか有ります。華道家は華道家しか信用しない理論。お花屋さんも華道が出来る人、今減っちゃって、込み入った花材の話とか通じない時もしばしば有るしな。仏花とか大量に仕入れられてもとかあったし。 まあそんな訳で、華道人口自体が、あの番組で増えております。有り難い!本当に有り難い番組なのじゃ。 ありがとう!プレバト! ありがとう!假屋崎省吾! そんな感謝しかないのです。

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