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鉄のマルテンサイトは基本的には立方晶であるbcc構造(body-centered cubic)であると言えますが、炭素を含む鋼のマルテンサイトは、焼入れままの状態では、過飽和に固溶した炭素原子が単位格子内の特定のサイトに位置することで、格子を一方向(c軸方向)にわずかに伸長させます。そうなるともはや立方晶とは言えなくなり、正方晶性(テトラゴナリティといいます)を有した構造となりますので、bccと区別してbct(body-centered tetragonal)と呼ぶことにしています。しかしそのようなマルテンサイトも、焼戻しを行うと過飽和に固溶していた炭素原子が炭化物として格子外に排出されますので、本来の結晶構造であるbccに戻ります。従って、ケースバイケースによってどちらも正しいということになります。
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