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有限体積法では発散定理によって対流項・拡散項を面積分に置き換えますが、その理由はなんでしょうか?ソース項などのように体積積分のまま近似してはいけないのでしょうか?
保存性や計算精度などの点からなにか明確な理由があれば知りたいですり

ガウスの発散定理を使用することのメリットとしては、 ①微分演算子の階数を一つ減らせるので計算コストも減らせる ②セル界面での流束(flux)を使用し対流項・拡散項を離散化でき、離散化式の上でも流束の保存式になっており物理的である というのがまず挙げられます。 その他のメリットとしては、以下の③がありますね。 複雑形状へのメッシュ生成が容易なため、近年では非構造格子がよく使われるようになってきました。そして、非構造格子の扱いが容易であるという理由で、変数の配置にはコロケート配置(流速と圧力を同じ点で定義し、同じコントロールボリュームを使用する)が多くの商用・オープンソースの有限体積法CFDコードに採用されています。 流体計算は、運動量保存式と連続の式を連成して解き、両方を満足する流れ場を求める必要がありますが、コロケート配置で課題だったのが、圧力場に振動が生じる問題でした。これを解決する手法として現在広く使われているのが、Rhie & Chowの手法であり、OpenFOAM等ではセル中心で定義された流速U、圧力pの他にセル界面で流束phiを定義し、これをRhie & Chowの手法で修正することにより、数値振動を回避しています。 phiを新たに変数として考えることは、発散定理を使用する離散化の定式化にあっています。つまり、 ③発散定理を使用する場合、流束phiは非線形な対流項の離散化に使用できますが、発散定理を使用しない場合には使えません この辺りの内容は、J. H. ファーツィガー、M. ペリッチ著「コンピュータによる流体力学」にも説明があるので、ご参考になるかもしれません。

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