はい、私個人の話をさせて頂きます。それも自分語りという形式で。私の答えが貴方の心を救える自信はありません。ですが、未来に少しでも希望が見えるような答えを出来ることを目標とします。 まず、「うまく描こう」とすることはダメではないです。苦労はしても、上達する喜びを感じられるなら、それは素晴らしいことです。描き続けた結果上手くなっていてそれを嬉しく思うことは、大変素晴らしいことです。若い時の私はそれを求めました。でもその経験を得ることが出来ませんでした。 私は子供の頃からクラスで絵の得意な子で通ってました。たまたま勉強が出来たので進学校に通い、日本で一番頭のいい人達が集まる大学に進学しましたが、そこの美術サークルに入りました。割と畏敬の目線を集めるくらいの立ち位置にいられたことを良くしたせいか、絵で食べて行きたいと思うようになりました。そこで親と激しく衝突しました。精神的に不安定になり、ある日自分があからさまにおかしいと思い病院に駆け付け、双極性障害の診断を受けました。 大学を卒業した私はアルバイトをしながら絵を描いていました。就職はしても病気が原因だったりばれたりで、自主退職を10回くらいしました。日雇いのアルバイトをして絵はインターネットで他人に見てもらっていました。あるお絵かき掲示板のコミュニティで絵柄で目立つポジションになりましたが、私の精神的な未熟さと不安定さで、良くして下さった方にさえも迷惑を掛ける態度をとり、結果そこから私は退場しました。 とある時期から私はアルコール浸りになりました。朝工場に仕事に行く前必ずお酒を何本か飲んでいきました。仕事が終わったら私はひたすらお酒を飲んでいました。当然仕事は首になりました。私はアルコール依存症の診断を受け、生活保護世帯になりました。その間絵は描いていましたが、精神的に尖っていた私は「認められることだけがすべて」になっていました。勿論上手く行くはずはありません。半ば技術があったが故に様々な面において必ず悪目立ちする立ち位置になり、「客観的に見た良い結果」など何も得られませんでした。 私はアルコールを飲んでいく内に手足が震え出し(振戦症状で検索して下さい)、思ったように線が引けなくなりました。私は絵を描くのをやめました。 私はとある社会復帰施設様等々のお陰で、アルコールを飲む習慣をやめられることが出来ました(今日で断酒1643日目です)。酩酊せず正常な意識を保つ喜びを知るに連れ、それまで大きく私に欠けていた社会性も獲得することが出来るようになりました。ただアルコール依存症の合併症状で両股関節の骨頭部が壊死し、普通に働くことは出来ないままになりました。「このまま何もしないで生きるのかなぁ」と茫洋と考えていたところ、絵のことを思い出しました。 吾妻ひでお先生という偉大な作家様がいらっしゃられました。あの方は絵を描く行為自体はやめていなかったなぁと思い、私もリハビリという目的で絵を描くことにしました。手がガタガタ震えるので、絵のクオリティなど求めませんでした。 当初は断酒を目的としたアカウントで絵を上げていました。が、やや場違いであると思い、今のアカウントを新しく立ち上げました。丁度去年の今頃です。 ただただ私の描きたいキャラの絵を描いて上げてました。出来は気にしてませんでした。手は震えますが、震えが絵に出ない方向のコツをつかんで行きました。それが何かすごく楽しく思えました。 描いて上げていく内に、いいねの数が増えていきました。リプライで「クオリティありますね」みたいな感じのことを言われたと思います。予期していませんでしたので「え?」って思いましたが、とてもいい気分になりました。 ある日、ふたばちゃんねるという掲示板で、「俺こんな絵描いてるんだけど」ってスレッドを立ててみました。何の気なしでした。叩かれてもいいやって思ってました。その中で「Skebやんないの?」「Skebやってみなよ」って言われました。確かに大学生の頃に絵で食べていきたいとは思いましたが、手の動いた頃にお金もらって絵を描けなかったのが、手が不自由な今にそれが出来るわけがないと思いその場は断りましたが、こっそりポートレイトでこれまで描いた絵を上げ登録してみたところ、その日の内に3件仕事が入りました。 今に至ります。私は人生で一番絵を描くことに達成感を得ていたお絵かき掲示板のツールで絵を描いています。それなりの絵を描いた経歴の中で一番充実していた頃に使っていたツールで、これで絵を描くと無限の勇気が湧いてくる気がするのです。リハビリにこれを選んだのにも理由はありますが、リハビリという復帰の時期に力をもらえたこのツールというのにも思い入れに拍車を掛けるのでしょう。先に申し上げた通り、体調の良さを維持するのが困難な体なので、四六時中それをすることは不可能ですが、可能ならばしていたいです。 これが私の絵を描く楽しさです。断言しますが、もう絵で壁にぶち当たって思い悩むことはないと思います。もし悩まれていて、その先に光が見えない方がいらっしゃるなら、生きてみて下さい。私は悩んだ末に光を見ることが出来ました一例です。今描き連ねたことに無駄はあったと思います。これを読まれてそこを見付けたのなら、それをショートカットの道具に使って下さい。 最後になりますが、絵に本気になったことのある方は、道を断念しても、絵は切って切り離せないいわゆる「腐れ縁」になります。絵で悩まれる方は、まず絵と上手く付き合うコツをつかむのが精神的に一番いいと私は思います。こんなに自分を語ったのは生まれて初めてですが、どなたか一人の教訓になれるんじゃないかなって思います。 それでは。
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