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ミキシンエンジニアになりたくて社会人になってから本格的にスキルショップなどで活動し始めました。
将来これで食べていきたいけど、やはり収入の伸びしろが少なく、未経験アシスタントで雇ってくれるところもなくプロから吸収もできずで悩んでます...愚痴すみません

真剣にお答えしました 気持ちはわかります。人生の選択肢って多いようで少なくて、理想の人生想って悩みますよね。私も本当はBeingから歌手デビューするつもりだったのに、人生の選択を迫られるタイミングが何度もあり、大いに苦悩しました。職歴はかなり多い方だと思います(笑) 以前私はある外資系企業の営業人事課長として、面接や選考に従事していました。毎週1回から2回面接を行い、のべ数百人と面談をしてきました。中途採用のみだったので、それなりに人生経験ある年上の営業マンを中心に面接していくのですが、その時にいつも問いかける質問がありました 「あなたは当社に限らず、どんな仕事に携わっていきたいですか?」 「はい、人の役に立つ仕事をしたいと思います!」 95%くらいの面接者がこのように答えました。質問は続きます 「あなたはお金は好きですか?高収入に興味はありますか?」 「はい!お金は大切です!」 全員違いを見せようと、お金に関する質問にハッキリと返答してきます。質問は続きます 「ではあなたはセックスは好きですか?」 「(一瞬動揺…)は、、、い、好きです」 「では貴殿はAV男優を目指されてはいかがでしょうか?高収入であり、綺麗な女の人とセックスして生きていけるんです。しかも大いに人の役に立てますよ。あなたも一度はお世話になったことがあるでしょう」 「….いや、あの…」 これは私が作った面接マニュアルの冒頭です(2時間×3回で6時間分のマニュアルを作って暗記していました)。もちろん私は職業差別や、安っぽい倫理のためにこんな話をしていたのではありません。自分の人生に「一回限りのかけがえのないもの」としての覚悟を決めて生きている人はそう多くはありません。しかし、お互いに助け合い、引き上げあって生きていける仲間を増やすことは、結果としてそんな人生に近づくことになります。私は共に働く仲間にそんな熱い気持ちを隠すことはありませんでした。アダルトビデオのお仕事も立派な仕事ですが、男優はまさに選ばれた人間にしかできない聖域に近いレベルの精神性と体力が必要でしょう。さらに半端じゃない覚悟がないと続けることはできません 話を戻しましょう、私にもプロミュージシャンとして生きていきたいと思う時期がありました。作曲家になって映画音楽を手掛けたいとも強く思っていました。できるならばモテモテ芸能人もいいなあ。美人と結婚してお金持ちになって、、、、。しかし願望や夢というのは、ただの羨望であったりします。ましてやSNSやネットで他人の情報がたくさん集まるこの時代、自分の本当の気持ちに気づくのすら本当に大変でしょう 大いに悩み、人生の失敗や回り道を繰り返してきて僕が得た一つの解は「何をやって生きていくのかよりも、どのように生きていくのかを大切にしよう」でした。例えばレコーディング・エンジニアを仕事にしたとして、聞きたくもないような音楽を納得できないPの指示のもとで機械オペレーターのように作業する人生は、私には耐えられそうもありません。これは誰かを卑下するわけでも、攻撃する意図があるわけでもありません。逆に、私はそんな方達が興味を持たないようなインディーズバンドや、アンダーグラウンドの轟音に塗れた音楽、不満燻るHIPHOPや世界直通のelectronics系の音楽に大いに興味をそそられる、そんな嗜好の違いがあるだけです 残念ながら私は都落ちして福岡に帰り、コロナの影響で四苦八苦しながらちっぽけなスタジオを運営し、いくつかの事業を並行して経営しています。しかしその全てが「SAW(ソウ)が心からやりたいと思える、人生を通じて心血を注ぐに値する業務のみ」を取り扱っています。ミックスマスタリングも聴きたくもないような音楽、聞いたことのない音楽はやらないと明言しましたが、逆にすごく多くのオーダーやリピートをいただけて本当にうれしい悲鳴をあげていますし、素晴らしい友人やチームと背中を預けて生きていけるのは幸せなことです。安価で新鮮な食材が手に入り、海も山も川も手に届く範囲で子育てできるのも気に入っています 日本のエンタメ業界のバジェットは下がり続け、下からは低予算で素晴らしい作品を作るアンダーグラウンドからの突き上げもあり、テクノロジーは劇的に進化し、基礎すら学ぶことのなかったプロダクションチームは事故音源を量産し続け、日本のミキシングエンジニアの未来なんてお先真っ暗です(笑)。少ない椅子の取り合いは、実力以外のフィールドに及んでいます。そんな椅子取りゲームの世界で、ミキシングエンジニアという「肩書き」「収入形態」に拘りたいのであれば、もっと真剣に探せばアシスタント募集はたまに出ていますよ。今このご時世に募集かけているところは、福利厚生も多少は充実しているでしょう しかしその前に、あなた自身の人生にいくつかあったターニングポイントを振り返り、自分自身の気持ちを整理して改めて音楽と向き合い、人生の棚卸しをしましょう。音楽や楽器の素晴らしさは、年齢や性別や場所を問わず楽しめることです。ラップトップ一つで技芸を磨き続けていくこともできます。あなた自身が納得できる「何をやって生きていくのかよりも、どのように生きていくのか」にもう一度フォーカスしてみましょう

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