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パソコンを一切使わず、仕事をどの様に行うか聞いておきたいです。

パソコンを使わないのは、企画とプロットの段階です。 企画の場合は、登場させたいヒロインや舞台のイメージや案をコクヨのA4用紙に片っ端から書いていきます。案を出す時には、後のこと――使うかどうかとか、まとめた時のこととかは考えません。とにかく、思いついた案をひたすら書きまくります。いけてる案もいけてない案も、書きまくります。野郎キャラなどのサブキャラも、思いついた案を書いていきます。適当な案も、いけてる案も、だめだめな案も、次から次へと書いていきます。 レポート用紙は贅沢に使います。あとで取捨選択ができるように、1頁につき1案、1頁につき1キャラ。大きな文字で書きます。せこい真似をして1頁に複数案を書くと、あとでいらないものをよけたり、並べ替えたりする時に不都合なので、潔く1頁につき1案でいきます。 例外はヒロインの名前です。名前を決める時は、1頁にひたすら思いつくものを黒いペンで書き込んでいきます。あとでよさそうなものを青いペンで囲みます。最後に赤いペンで、決定案を囲みます。 ある程度数がそろったら、全部見ます。そしていけそうなものを選んでいきます。別の案を思いついたら片っ端からレポート用紙に書いて追加していきます。 この作業を1週間、2週間とくり返していきます。途中で、ヒロインを絞り込みにかかります。フルプライスのゲームは、だいたい4~6名ぐらいのヒロインを登場させるので、20~30ぐらいのヒロイン案の中からいいものを選んでいきます。一発では決まりません。何度も選びなおします。3週間とか1カ月すると、企画原案――プロット作業に入れる土台ができあがります。 プロットの場合もだいたい同じです。こういうシーンがほしいなとか、こういうエピソードがいいなとか、こういうエッチシーンやりたいなとか、思いついたものを片っ端からレポート用紙に書いていきます。つながりはまったく考えません。ただ、ほしいシーンや読者に望まれているシーンを書いていきます。ここでも、1頁につき1案です。プロットの場合は並べ替えるので、1頁につき2案3案にしていると、取捨選択や並べ替えの時に不便なのです。 物語が行き詰まって、その原因が間違ったヒロインの選定にあった時は、容赦なくそのヒロインを没にします。『巨乳ファンタジー2』では、当初幼なじみというヒロインが設定されていました。でも、幼なじみに認めてもらうと最大の安心感が発揮されてしまってそこで物語が終わってしまうため、一旦シャッフルしなおしました。一から全ヒロインの候補を立て直して、幼なじみは没にしました。今回の新作についても、1人、ヒロインを没にしています。無理矢理残すことによってゲームがつまらなくなるのなら、消して新しいヒロインを設定することによってゲームが面白くなる方を、問答無用で選びます。プロットはまた半分ほどつくり直さなきゃいけなくなりますが、「せっかくつくったのに……」なんて気持ちは1ミリも感じません。作品に大きな穴が出来てシリーズをつづけられなくなることの方が、作り手にとっては超痛いです。 企画もプロットも、普段は黒いペンで書きます。重要な選択肢や場については、青いペン。そしてエッチシーンの内容については赤いペンで記します。ゲームのプロットは非常に分厚くて、重ねると15㎝以上に達します。レポート用紙にして1000頁近くになるでしょう。全部黒いペンで書いてしまうと、どこがエッチシーンかわからなくなるのです。赤いペンは、作り手を助けるためのシグナルなのです。 ひたすら書いたら、未完成状態で並べ替えます。並べ替えてまた見直すと、こういうシーンがほしいというアイデアが湧いてきます。1頁につき1案という形で、追加案をレポート用紙に書き込んで加えていきます。そしてまた並べ替えます。また見直します。さらに必要なシーンやほしいシーンを追加していきます。また並べ替えて、見直します。 最初の頃は大雑把です。プロットは飛び石みたいな感じになっていて、大まかで穴がいっぱいあります。並べ替えと見直しをくり返しているうちに、穴が少なくなり、高精細のものになっていきます。 『高1ですが異世界で城主はじめました』の場合、80頁のレポート用紙を10~13冊ぐらい使います。近いうちに発売になる『15』では、13冊使いました。 『巨乳ファンタジー』シリーズの場合は、80頁のレポート用紙を20冊以上使います。今つくっている最新作では、20冊を超えています。 プロットが完成すると、ようやくパソコンの前に座ってライティングに入ります。書いていて作業が詰まったり、物語の進行に対して違和感を覚えた時には、すぐにプロットに戻ります。プロットを見直して、またレポート用紙に書き込んで、プロットを修正します。そしてまたパソコンの前に座りなおしてライティングします。 締め切り当日であろうと、プロットに問題が生じた場合は、レポート用紙に書いたプロットを読み直して、レポート用紙に修正のプロットを書き込んで、プロットを組み直して、そしてパソコンに向き直ってライティングを再開します。ぼくの小説は、30人以上の視点を使います。ゲームシナリオでも、5~10個の視点を駆使します。視点が多くなると、構成(シーンの順番)の難易度が非常に高くなるのです。ライティングレベルで適正な順番に組み直そうとすると、余計に難易度が上がります。ライティングレベルで構成を修正するより、プロットレベルで構成を修正した方が早いのです。

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