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EMDRの副作用について教えて下さい。(抑鬱など)また、セッション中に出てくるイメージはフォルスメモリーなんでしょうか。

EMDRの副作用について、指摘されているものは、 ・苦痛な記憶が増える ・セッション中に感情的な高まり、身体的苦痛を経験する ・頭がぼうっとする ・鮮明な夢を見る ・新しいトラウマ記憶が出てくる といったものが指摘されています。 https://www.medicalnewstoday.com/articles/325717#side-effects https://www.emdr.com/frequent-questions/ おそらく、治療上よく出てくるのは、「EMDR恐怖症」と呼ばれるようなEMDRが怖すぎて受けられないという状態です。EMDRはフラッシュバックを誘発させるような効果を持っているからです。 また、抑うつに関して言うと、「過覚醒」がとれてきた結果、「抑うつ的な状態(低覚醒・離人感)」が出てくることもあります。そのため、「EMDRを受けて、感情を感じられない感じ」が出てくることがあります。 ただ、ほとんどは一過性のものです。また、この状態にはやったらいけないんじゃないかな?と思う状態もあって、それは、精神病発症危険状態(At Risk Mental State)です。ただ、これもARMSに対するEMDRの研究もあったりするので(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33004398/)使えるのかもしれませんが…。統合失調症圏内の方でも、症状が安定していれば、EMDRは使ってもよいように思います。統合失調症圏内の方に関するEMDRというのは、結構前から言われています。 EMDRのセッション中に出てくるイメージがファルス・メモリー(偽記憶)かどうかについてですが、治療上は、正しい記憶だと考えています。それは、実際に、その記憶が出てくることで、クライアントさんが「腑に落ちる」という体験をするからです。また、世の中には、本当に想像を絶するような出来事が実際に起きています。特に事件性がある記憶に関しては、『本当にこれが正しい記憶なんだろうか』と悩むと思いますが、実際にあったと思ってよいと思います。 ただ、裁判という点では、この点を争わなければならなくなります。現在はどうなっているか分かりませんが、裁判上は、EMDRは今のところ、偽記憶だと見なされていないと聞いたことがあります。ただ、トラウマの記憶というのは、聞き取りの方法でかなり改変されることが知られているので、EMDRに限った話ではないと思います。そのため、裁判の予定がある場合は、治療過程をビデオで録画しておくことをお勧めします。 研究上は、EMDRのような眼球運動を実験という状況で再現すると、記憶の正確性は、下がるようです。 https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/2167702618757658 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0005796719302323

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