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プロコンチネンタル以上所属が「プロ」選手という持論をお持ちのようですが、ブリッツェンやシマノ、マトリックス、愛三工業所属選手などを「プロ」と認めないのは何故でしょうか?
またマトリックス所属のマンセボ選手のお仕事も「アマチュア」になると思いますが、彼の選択をどうご覧になりますでしょうか。
宜しければご意見をお聞かせください。
自転車ファンより

「プロ」という言葉の意味があまりにも多すぎて、どれを重視するのかで誤解が生まれるので、全ての面で「プロ」と言えない限り「プロ」と名乗るときはとても慎重にやるべきだと思います。なぜなら、嘘扱いにもなってしまう場合があるからです。「月15万円しか稼がないJプロツアー選手」なんか耳や目にすることがあるんですが、月15万円の報酬を得ている選手は1割もいないはずです。むしろ実費で走っているのが半分以上という事実に、ファンの方にも目覚まして頂きたいですね。 但し、その中、プロとして走っている選手もいます。「コンチネンタル」レベルだからといって「プロではない」と言っている訳ではありません。国際規模で状況を見てみましょう。「プロ」「アマチュア」というのは軽く使われる言葉ではなくて、国際自転車競技連合(UCI)によって定められている枠です。ルールとしては以下の通り: • ワールドツアー、プロコンチネンタルチーム以上の所属選手は、チームの登録規定により(最低給料、最低予算が国際基準に従って定められています)全員プロ契約(就労契約)を結んでいます(その中にはスポンサー金を持ち込んでいる選手もたくさんいるけどね)。 • コンチネンタルチーム所属選手は、基本的にはアマチュアです。但し、その中で就労契約を結んでいる選手もいます。その場合はプロの基準を満たしているので、個人単位でプロの選手(枠)もいるわけです。そして、UCIルールとしては、コンチネンタル登録の規定は定められていますが、選手を守るために、細かいところは全て下部組織である各国の自転車競技連盟(日本の場合はJCF)に任されています。各国の経済事情に合わせるための規定になります(自転車競技国際化に向けた2005のワールドツアー改革より)が、その反面、各国の差がとても激しいということもあります。フランスは、フランス自転車競技連盟(FFC)及びプロチーム連絡会(Ligue Nationale du Cyclisme, 略称:LNC)の国内規則により、コンチネンタル登録をするためには、UCI規定に加えて、様々な規定があります(最低給料、1億円前後の最低予算など)。その分、アマチュア最高レベルのチーム(DN1)は完全アマチュアながら日本国内プロのトップを占めているブリッツェンに勝てるぐらい強いです。日本は、UCIが定める「80万円の登録費」と「200万円の銀行保証」(実際にはスポンサーに紙をサインしてもらうだけです)だけ通しておけばコンチネンタル登録ができるので、なんの保証にもなりません(インタープロの新規登録手続きの大半は自分がやったので良く知っています)。またベルギーの場合は、コンチネンタルチー厶はアマチュア契約もプロ契約もそれぞれの枠が定められていて、更に専門枠(主にシクロクロス)があります。要するに、国の事情に合わせられています。そういう意味では、日本はJCFのサボりによって、最低基準だけで通れるということなので、アフリカ各国と同じ規定なわけであって…国際舞台に出たい意思が感じられる国ではありません。 • UCI登録をしていないチーム(J"プロ"ツアーの大半)はもちろん、プロな訳がありません。いわゆる「名ばかり」ですね。 結構細かいところまで説明したと思いますが、ブリッツェンなどの国内最高峰のチームと、「マンセボ選手」の個人的な位置づけの質問もありましたね。宇都宮ブリッツェンは、何の関わりもないので何とも言えませんが、コンチネンタルながらプロに最も近い存在でしょう。フランスのコンチネンタルチーム以上の予算で活動しているし、選手も同じぐらいの人数がいます。但し、国の規定によって、ブリッツェンが無償で選手を走らせようと思えば、自由にできるわけですから、不透明な部分も残ります。 マトリックスも同様、「噂程度」しか聞いていませんが、スポンサー事情や表のチーム活動の視点からは、プロ並びの給料を全員に支払えるのは常識外です。恐らく、マンセボ選手が自分で日本の来ようと思って、自分なりのネットワークを利用して、心地の良いチームにお願いしただけでしょう。これぐらいの選手は、代理人のネットワークなんかも知り尽くしているし、日本に来る意思がなければ、日本に来ることはないと思います。言葉は変だと思いますが、「趣味」みたいなもんではないかと。 日本にも、たくさんの魅力があって、マンセボぐらいの有名な選手まで「趣味」で来てくれるということはそれを証明しているはずです。日本がヨーロッパとの関係を全く使えていないに過ぎません。ヨーロッパ人が運営しているインタープロだって、日本で受け入れてもらえなくて離れて行ってるわけですからね。そうなると、日本がヨーロッパに適応できるようになるわけがないでしょう…

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