蟻洞の治療ですね。 一般的には、「侵食された蹄壁を切除して、パコマで消毒する」です。 私は蟻洞のレベルや範囲によって少し変えています。 まず、蹄壁は全て切除しないでも良いと考えています。例えば、蹄壁を家の壁と考えると、1/4も取り壊してしまうと、家は傾いてしまいますよね。蹄壁を取る位置や範囲を間違えてしまうと、蹄のバランスが崩れてしまいます。後々苦労することがあったため、全部切除しなければならないとは考えていません。 蟻洞の中の細菌検査をすると、土壌細菌が多いようですが、酸素に晒すことにより抑えられると考えています。ですので、空気と薬剤が入るように蹄壁を少しだけ切除してもらい、そこからスラッシュオフという濃紺の消毒薬を流し込んでもらっています。この時に、ホルマリンいりのスラッシュバスターはお勧めしていません。蹄の中がホルマリン固定されてしまい、蹄を作る細胞が死んでしまうからです。 また、蟻洞になる要因の一つに、物理的な無理がかかっていることがあると思います。最近は3D HoofCare Padを使い、蹄底から支え、さらに骨折の治療に使うようなキャストを巻いて周りからもサポートするようにしています。 蟻洞は「細菌性」だ!という間違った情報が見られますが、確かに蟻洞の中の菌を培養すれば何かしら出てきます。糸状菌なども検出されます。ですが、蟻洞になる原因は細菌感染の前に、物理的に蹄壁に無理な力が掛かったことや、蹄の硫黄成分の不足により、蹄質が柔らかいことがあります。蹄質が弱い馬にはfarrier’s formula double strength がオススメです。 蟻洞と言ってもそれぞれあった対処方法を取ることが大切かと思います。また、蹄葉炎も蟻洞から発展してなる場合もありますので、なるべく早めの対処をしてあげると良いと思います。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク