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自分のオリジナルの絵が、誰かの絵(部分的なところでも)を真似ていないか、著作違法になっていないか、迷惑になりそうか確認するときは、どこを注意してみていますか?

私はイラストレーターになりたくて、自分の世界観に近づけるよう模索して描き続けています。
プロの方々や友人等の絵を観るのは好きですし学ぶところがたくさんありましたが、
以前、みなさんの絵から技術等を盗んで世界観を壊すようなことをしたくなくて、見るのを拒んで、それで悩んでいたことがありました。
自分の絵が誰かのを真似ていないか不安に思うことがよくあったため、自分はどうするか決めたくて、この質問をしました。

回答、お待ちしております。

これも割と多い系統のご質問です。真面目にお答えいたします。 まず、コンテンツが細分化して大小プロジェクトが乱立するようになった昨今、もはやイラストのアイデアも含めデザイン被りは意識していても免れない世の中になったと痛感しています。年間に膨大な数のキャラクターや絵が生まれていますので、どんなに意識しても世界の何処かで被ります。僕も何度か経験があります。が、一応トレンドになっているデザインの被りはしないようには意識しています。 が、「構図」や「定番」など、ある種“型”と言ってよいケースも多々あるので、そこの判断は個々に委ねられる部分があります。 次に大前提として、この世に完全なオリジナルなものなど無いという事をしっかり認識しましょう。あったとしても、それは商業的には誰の琴線にも触れずに消えていってしまうか、自己満足で終わるか、NYの評論家や画商に見初められてメジャーデビューを果たすかどれかでしょう。 商業の場では誰しも、何がしかからインスパイアを得て新たな作品に昇華しています。何故かと言うと、商業の世界には作品を作る人達と見る人達が長年変化させつつ積み重ねてきた共通認識としての「フェチズム」の琴線というものが確かに存在し、それ触れれなければ一瞬で消え去ってしまうからです。 ここで言う「フェチズム」は、エロだけではありません。 マントのたなびき方、髪の毛の風の受け方、目鼻口のバランス、服の皺や鉄の質感や光源の影響に至るまで、様々なフェチズムを指します。同じ絵を見ても人によって「この髪の毛のなびき方が好き!」「ポージングが好き!」など、感想が多岐に生まれるのは、良い絵にはたくさんの「フェチズム」が秘められているからです。 絵が上手い人はラフ絵でもかっこいいのは、ラフ線の段階でフェチズムを構築してるからなんですね。 貴方の中にも、恐らくたくさんの人生経験の中で触れて積み重ねてきた「フェチズム」があるかと思います。それを組み合わせて、見てくれる人(消費者)の「フェチズム」の琴線に響かせる訳ですが…恐らく、悩んでいるのはその「フェチズム」の出処、横に並んでる絵描きさんたちの「フェチズム」を参考にしているという自覚から来る、潔癖な考え方にあるんだろうなと。 もちろんその気持はすごくわかります。が… 冒頭でも触れましたが、この世に広義の意味で完全なオリジナルなどは存在しないと言って良く、実は「他に無いアイデアや独自性」って最初に考える事ですらなく、作ろうとして生まれる事ではないと言う事です。色んな影響が自己の中で混ざり合ったり、時間に追われたり、はたまた全く別の要素から生まれたり、時間がかかるものです。 それよりも大事なことは、視野を広げて、自分の中の「フェチズム」の引き出しを沢山作ることです。 例えば綺麗な空の色の絵は誰しもの「フェチズム」にふれることができますが、そのためには描く側がその美しさをより強く伝えるために誇張しなければいけません。ソースは本物の空でも、映画のワンシーンでも、印象派絵画でも何でも良いです。一番感動した気持ちをストックします。そういった引き出しは多ければ多いほど、被る心配も少なくなります。 絵の本当に上手い人、いくつものプロジェクトを経験した人は その引き出しのネタ元の出典のチョイスが絶妙で、100人中1人くらいしか知らない様なオマージュやインスパイアでも、非常に魅力たっぷりにデフォルメして込めたりします。 もし貴方が明らかにすぐに知人の絵の真似になってしまう、と言う事でしたら、多分まだ知に乏しく、引き出しが少ないせいでしょう。 良い絵描きさんほど、皆さん絵以外の事に興味津々です。 絵だけでなく、色々見て引き出しを作りましょう、ということで!

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