1/2

某テレビ番組でコンビニやチェーン店の料理を一流料理店の方々が評価をつける番組がありますが、私はとても納得できなくてもやもやします。もちろん美味しくないものもあるでしょうが、値段や手軽さを考えるとマイナス評価をつける事は出来ないくらい素晴らしいものばかりな気がします。

確かにエンタメと割り切って観ててもモヤる部分は多々ありますね。 ああいうのを見てて思うのは 「高級店の中の人もたいへんだな」 ということです。常に「厳しさ」「ストイックさ」みたいなものを全面に出してセルフブランディングしていかねばならないのがあの世界ということなのでしょう。グルメ層からの信頼を得る、というのはそういうことなんだと思います。 またその世界観における「おいしさ」という概念は、ベクトルではなくスカラー。つまり、おいしいものからおいしくないものまでの間には直線的な優劣があるという世界観のもとに物語は紡がれます。ずいぶん窮屈そうですが、窮屈な分単純なのでエンタメとしてはわかりやすい。 捻くれた言い方をすれば、そういう厳しくて窮屈な世界で戦う彼らをテレビが利用して作られるエンタメ、という印象です。 ある食べ物について、うまいのマズいのやいのやいのと意見をぶつけ合うこと自体は悪いことだとは思わない(ていうか個人的にはむしろ好き)なのですが、あの種の番組に関しては「評価する側とされる側」という非対称な役割が固定されているのが残念という気がします。 そして、それが脚本上のことなのか本音なのかはわかりませんが、どうしても「シェフがメーカーを下に見ている」感じが気になります。お互い作り手同士として尊重しあってるようには見えないんです。 要するに何が言いたいかと言うと、メーカー側も必要であればロジカルに反論するターンがあってもいいのではないかと。シクシク泣いてる場合じゃねえだろう、と。 「それは我々も企画段階では検討しましたが、実装するとコストが○倍になるだけでなく、食味に関しても逆にターゲット層からの支持を得づらくなるなると考えます」 とか、 「ご指摘は仰る通り。しかし現在の製造ラインでは不可能なのも事実。今後の設備開発の参考とさせていただきます」 とか。 シェフ側も 「なるほどコンビニの(チェーンの)市場ではこういう方向性がウケるわけですね。おもしろい」 みたいな、より双方向的な感じの方が僕はずっと面白いと思うんですけどね。 あーでもそれじゃエンタメにならないのかな。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク